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『バイス』監督の命まで救った!?クリスチャン・ベールの徹底した役作り

『バイス』監督の命まで救った!?クリスチャン・ベールの徹底した役作り


いかにあらゆる情報を吸収し、チェイニーの内面を形作るか



 特殊メークは整った。ひたすらパイを食べ続けることで体重も20キロ近く増やした。頭部に被り物をしなくて済むよう、頭髪を剃り上げた。眉毛も染めた。だが肝心なのは「いかにしてチェイニーの内面を作り上げるのか」だ。ベールの役作りは加速度的に激化していく。


 彼はありとあらゆるチェイニーのビデオ映像やインタビューを見まくって、口癖や喋り方、身振り手振りを習得した。と同時に、著作や関連本や記事を読みあさって、彼の生い立ちや考え方や政治手法に至るまで、とにかく出来るだけ多くの情報を収集し、自分の体内に吸収したのだ。


 ベールの役作りはかつてないほど時間を費やし、徹底したものになった。それは実在の政治家を演じるからでもあるだろうが、それ以上にアダム・マッケイ監督の撮影スタイルに寄るところが大きい。


 「サタデー・ナイト・ライブ」で頭角を現したマッケイは、もともと即興コメディなどでキャリアをスタートさせた人でもある。そのため、彼の現場では、打てば響くような柔軟性が求められるし、現場で脚本にはないアドリブを要求されることもしばしば。となると、脚本をガチガチに読み込んでいるだけではとても太刀打ちできない。もはや「演じる」を超えて、「役を生きる」くらいの覚悟が必要なのである。




 その上、今回顔をあわせるのは、妻役のエイミー・アダムス、ラムズフェルド役のスティーヴ・カレル、ブッシュ役のサム・ロックウェルなどの怪優ばかり。誰もが「役を生きる」タイプの壮絶な役者魂を持った連中だ。この顔ぶれでちょっとでも油断すると、うっかり相手に食い殺されかねない。そんな怪優たちの宴の中で満足のいく化学変化を巻き起こすためにも、ベールはあらゆる事態に備えて、しっかりと血肉を蓄えておかねばならなかったのだ。



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