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ドラッグ依存と闘った実在の父子の映画化『ビューティフル・ボーイ』が描いた、「希望」と「光」

ドラッグ依存と闘った実在の父子の映画化『ビューティフル・ボーイ』が描いた、「希望」と「光」


意外な監督がプロジェクトを率いるはずだった?



 聞くところによると、最初はキャメロン・クロウが監督、脚本としてこの企画に携わっていたらしい。クロウもまた若くして数々の伝説的なミュージシャンを密着取材した音楽ジャーナリストであることを考えると、プロデューサーは彼と原作者デヴィッドとの間に何らかの整合性を見出したのかもしれない。


 だが結果的にクロウは降板し、プランBのプロデューサー陣は、『オーバー・ザ・ブルースカイ』(12)でアカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされたベルギー人の監督フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲンと、『キャンディ』(06)や『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』(16)の脚本家ルーク・デイヴィスに本作を託することとなる。


 本作はスティーヴ・カレルとティモシー・シャラメの演技があまりにも素晴らしいので、他の要素はつい陰に隠れがちだ。だが実際には様々な思いを抱いたスタッフやキャストが強く結びつき、それぞれのレベルで想いを捧げ合いながら製作が進められていった。




 例えば、20代の頃に父を亡くしたヒュルーニンゲン監督は「父は映画を通して今なお私の中で生きている」と語る。本作で描かれる父と子には、ある意味、監督自身の父親との関係性、絆、交わしたかった言葉などが投影されているのかもしれない。


 また、脚本家のルーク・デイヴィスはドラック依存を経験したことがあり、その悲しみや苦しみを痛いほど熟知している。彼もまた、自伝的作品の『キャンディ』では描けなかった「父と息子の絆」をいま改めて掘り下げることに意義を見出し、本作への参加を決めた。


 かくも“想い”は立体的に融合し、結晶化されていった。それぞれが熱い思いを持ち寄り、様々な思いを集約させながら一つの世界を構築したからこそ、本作はこれほどリアリティに満ち、力強く輝きを放つ唯一無二の存在となったのだ。



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