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集大成にして新境地。ジェームズ・キャメロン『アバター』がインスパイアされた諸要素を探る

集大成にして新境地。ジェームズ・キャメロン『アバター』がインスパイアされた諸要素を探る


「開拓者と先住民」「開発と環境破壊」の物語類型



 パンドラの資源を求めて森林を切り開く人類と自然を守る先住民族ナヴィの対立、資源開発側のジェイク・サリー(サム・ワーシントン)とナヴィ族の女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)との愛を描くストーリーは、過去の多数の作品に共通する物語類型をなぞっている。


 「開拓者と先住民」の物語の源流はおそらく、ディズニーのアニメ映画『ポカホンタス』(95)で日本でも広く知られるようになった、17世紀の英国人入植者ジョン・ロルフと結婚したネイティブアメリカンの娘ポカホンタスの実話だろう。


 ポカホンタスの、民族や文化、立場の違いを乗り越えて結ばれる劇的なラブストーリーの骨子は、舞台を米国南北戦争の時代に移して『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(90)に、また明治初頭の日本を舞台にした『ラストサムライ』(03)にも受け継がれた。後者の2作は、開拓者(政府)側の軍人が、先住民(武士)の伝統文化や精神に共感して“反逆者”になる点でも『アバター』と共通する。



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 「開発と環境破壊」に関して、キャメロンはアイデアの源の一つを映画の中で示している。それは、グレイス・オーガスティン博士(シガニー・ウィーバー)がかつてパンドラの村に作った学校の廃墟で拾い上げるドクター・スースの児童書「The Lorax」(1971年出版。2012年に『ロラックスおじさんの秘密の種』の題でアニメ映画化された)。これは金儲けのために木を大量伐採した結果、植物がなくなるほど環境が破壊された世界の物語だ。


 また、比較的マイナーな作品だが、オーストラリア製アニメ『不思議の森の妖精たち』(92)も参照したと考えられる。こちらは、熱帯雨林に住む妖精と伐採業者の青年が恋に落ち、力を合わせて森を破壊から守ろうとする物語。倒木でできた橋を渡る構図や、森林をブルドーザーがなぎ倒す場面など、『アバター』が元ネタにしたと思しき要素が散見される。



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