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集大成にして新境地。ジェームズ・キャメロン『アバター』がインスパイアされた諸要素を探る

集大成にして新境地。ジェームズ・キャメロン『アバター』がインスパイアされた諸要素を探る


SFカルチャーと自作への“言及”



 映画では下半身不随のジェイクが、パンドラの環境に適合させた人工身体のアバターに意識を移し、ナヴィが暮らす世界を探索する。キャメロンがプロットの参考にしたと思われるのが、ポール・アンダースンが1957年に発表したSF中編「わが名はジョー」(新潮社文庫「スペースマン : 宇宙SFコレクション1」所収)。この小説の主人公も車椅子に乗っているが、木星とその衛星の過酷な環境に適合した人造木星人「ジョー」に意識を移して冒険を繰り広げる。


 惑星(または衛星)のすべての生命を結ぶ「意識のネットワーク」というアイデアの大元は、1960年代に英科学者ジェームズ・ラブロックが提唱した、地球を一種の超個体と見なす「ガイア理論」だ。この理論に影響を受けた作品はSFに限らず多数あるが、『アバター』と最も共通点が多いのは、「デューン 砂の惑星」で知られるフランク・ハーバートとビル・ランサムによる共著のシリーズ「The Jesus Incident」(79)と「The Lazarus Effect」(83)。これらの作品では、海に覆われた惑星「パンドラ」で過去の記憶を引き継ぐ藻類が全球的なネットワークを築いており、他の生命体とともに「Avata」と呼ばれる共有の意識にリンクされている。



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 キャメロンはまた、過去の自作を想起させる要素やシーンも盛り込んでいる。最もわかりやすいのは、『エイリアン2』(86)でシガニー・ウィーバー扮するリプリーがエイリアン・クイーンと戦う際に乗り込んだ貨物運搬用パワーローダーだろう。『アバター』では「Amplified Mobility Platform(AMP)」と呼ばれる戦闘スーツとして登場し、クオリッチ大佐(スティーヴン・ラング)が乗り込んでジェイクやネイティリと対決する。


 スパイアクション『トゥルーライズ』(94)では、主人公のハリー(アーノルド・シュワルツェネッガー)がジェット戦闘機「ハリアー」の操縦桿を倒して機体を傾けると、翼の上のテロリストがバランスを崩して滑り落ち、ミサイルに引っかかる。このシーンは、『アバター』の終盤の戦闘で、戦闘機に搭乗するクオリッチ大佐とジェイクのアバターによってかなり忠実に再現されている。



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