2019.06.14
ロビン・ウィリアムズが映画に出演した理由
2019年に取材した時、ヴァン・サント監督はこんな話を始めた。「最初にあの役として考えていたのは、本当はショーン・コネリーだったんだよ。役名がショーンだったからね。でも、彼は起用できず、そこで製作者のひとりだったハーヴェイ・ワインスタインがロビンを連れてきた」
ワインスタインは、今ではハリウッドを揺るがすセクハラ事件が大きな波紋を呼び、映画界を追放となったが、当時の彼は最も力のあるインディペンデント系の会社、ミラマックスの中心人物だった。
一方、監督とショーン・コネリーは、この作品ではご縁がなかったものの、その後、『小説家を見つけたら』(00)でコンビを組んでいる。文才のある黒人少年と隠遁していた伝説の作家との絆を描いたこの作品は『グッド・ウィル・ハンティング』の姉妹編ともいうべき内容になっていた。
ただ、『グッド・ウィル・ハンティング』に関しては、ロビンがショーン役で正解だった。彼はマット・デイモンとベン・アフレックが書いたシナリオが気にいって出演を決意したという。
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』予告
「ショーンは主人公の青年のように自分が優秀ではないことを分かっていて、“僕は君ほど頭が切れないが、そんな君にもまだ分っていないことがある”と彼にいえるだけの知性がある。人生を積み重ねた先輩だ。彼のそんなところが気にいって出演を決めた」
コメディアンとして冗談を飛ばすことも大好きだったロビンは、セットでは即興演技が絶えなかったようだ。ちなみにショーンの役はマットの母親とベンの父親がミックスされたキャラクターらしい。