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『ブギーナイツ』今だからこそ見るべき、鬼才ポール・トーマス・アンダーソンの出世作にして最高傑作

『ブギーナイツ』今だからこそ見るべき、鬼才ポール・トーマス・アンダーソンの出世作にして最高傑作


栄光と挫折に揉まれる人々を演じた個性派俳優たち



 群像劇である以上、他の魅力的なキャラクターにも触れないわけにはいかない。筆頭は、エディの面倒を見て、父親のような存在となるポルノ映画監督ジャック。映画作りのファミリーの長としての頼もしさはもちろん、傑作を生みだすことに情熱を傾ける姿にも熱いものを感じる。演じるバート・レイノルズは『トランザム7000』(77)などで70~80年代に人気を博したアクション映画のスター。当時キャリアは低迷していたが、本作でゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞し、アカデミー賞にもノミネートされたことで復活。しかし、本作ではアンダーソン監督とそりが合わず、殴り合いに発展しかけたこともあった。アンダーソンは次作『マグノリア』でも彼に出演をオファーしたが、断られたという。


 エディの相棒となるリードは、マジシャンになることを夢見ているポルノ男優。演じるジョン・C・ライリーはアンダーソンの監督デビュー作『ハード・エイト』(96)に続いての出演で、この後、個性派として頭角を現わし、近作『ゴールデン・リバー』(18)のようなシリアスなドラマから、『ウォーク・ハード ロックへの階段』(07)に代表されるコメディまで、多彩な役をこなし活躍を続けている。




 本作はまた、後にアカデミー賞に輝くことになる俳優ふたりの出世作にもなった。ひとりは、エディに母親のような愛情を注ぐポルノ女優で、別れた夫と親権を争っている母親アンバーを演じたジュリアン・ムーア。本作で助演女優賞にノミネートされて注目を集め、やがて『アリスのままで』(14)で念願の主演女優賞を受賞した。


 もうひとりは、ジャックの下で助手を務めつつ、エディに好意を寄せるゲイの青年スコッティに扮したフィリップ・シーモア・ホフマン。彼もアンダーソン組のひとりで、前作『ハード・エイト』、次作『マグノリア』でも賞賛される。その後、『カポーティ』(05)では主演男優賞を受賞したのはご存じの通り。



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