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『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』ホントは怖い!?スピルバーグの映画たち

TTM & (C) 1984-2016 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. Used Under Authorization.

『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』ホントは怖い!?スピルバーグの映画たち


アンブリン映画に多い意外な共通項



 さて。これらだけなら単に「悪趣味」だが「王」たるには所以がある。その所以は3つ目の「悪趣味の条件」でもある。


 アンブリン・エンターテイメントはスピルバーグの制作会社なので、やはり「社会派ドラマ」や「ファンタジックでハートウォーミング」な作品も多い。だが、もう一つ。ある共通の特徴を持った作品群がある。


 代表的な作品を挙げると、擬人化した子ネズミが主人公のアニメ映画『アメリカ物語』(86)。J・G・バラードの少年期を描いた『太陽の帝国』(87)。言わずと知れた『ジュラシック・パーク』シリーズ。おもちゃが子供を襲う『スモール・ソルジャーズ』(98)。未来世界の子供型ロボットを描く『A.I.』(01)。H.G.ウェルズ原作映画のリメイク『宇宙戦争』(05)。CGアニメ映画『モンスター・ハウス』(06)。J.J.エイブラムス監督作『SUPER8/スーパーエイト』(11)などなど。




 ジャンルはバラバラだが、実はどれも共通して「子供がヒドい目に会う」映画なのである。その点で『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』はその極北と言えるだろう。インディのちびっこ相棒ショート・ラウンドは、多くの子供達と共に採掘場で鞭打たれながら働かされ、魔術にかけられていたインディに殴られまでする。さらにパンコット宮殿の子供マハラジャは、やはり魔術にかけられていたためにショート・ラウンドに拳で何度も殴られる。


 ちなみに、この超悪趣味だが最高に楽しい冒険活劇『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』は、それまで「G」「PG」「R」と成人指定の「X(後のNC17)」しか無かったアメリカのレイティングシステムに「PG13」を加えるきっかけになった作品である。


 残酷描写に溢れる『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』と、小さなモンスターが悪ふざけでドカドカ死ぬ『グレムリン』(84)を一気にPGにねじ込んだので「ええかげんにせい!」と怒ったMPAAをなだめるため「じゃあ、PGとRの間をもう一段階作りましょうよ!」とスピルバーグ自身が提言したのが「PG13」なのである。


 アンブリンの映画に多く見られる共通項とは、子供をヒドい目に会わせ、しかもなるべく悪趣味な描写をふんだんに盛り込んでMPAAを困らせるような映画であり、そんな作品で多くの子供を恐怖に突き落とすことこそ、実はスピルバーグの目指すところの一つなのだ。


 そして。子供は、そんな残酷な映画が大好きである。



文: 侍功夫

本業デザイナー、兼業映画ライター。日本でのインド映画高揚に尽力中。



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作品情報を見る





『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』

Blu-ray:1,886円+税/DVD:1,429円+税

発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

TTM & (C) 1984-2016 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. Used Under Authorization.

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