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タイカ・ワイティティと仲間たちがおくるヴァンパイアの世界【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.39】

タイカ・ワイティティと仲間たちがおくるヴァンパイアの世界【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.39】

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ヴァンパイアの共同生活に迫るモキュメンタリー



 Netflixの『ドラキュラ伯爵』でドラキュラ(とヴァンパイア)に、話題の映画『ジョジョ・ラビット』でタイカ・ワイティティ監督に興味津々な今の自分にぴったりな作品、それがタイカ・ワイティティとジェマイン・クレメントの共同監督・脚本による『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』。原題は『What We Do in the Shadows』で、ニュージーランドはウェリントンにある古い屋敷で共同生活をおくる年代バラバラのヴァンパイアたちを取材した、というていのモキュメンタリー(架空のドキュメンタリータッチ)ホラーコメディである。


 ワイティティ扮する379歳の伊達男ヴィアゴ、クレメント扮する862歳のヴラド(どうやらドラキュラ伯爵のモデルである串刺し公ヴラド3世そのひとらしい)、183歳と比較的若くてやんちゃなディーコン、そして最年長8000歳のピーター(ヴィジュアルがドイツの『吸血鬼ノスフェラトゥ』スタイル)の4人が暮らしている屋敷に、ある夜餌食として人間のニックがやってくる。ニックはまんまと罠にかかりピーターに吸血されてしまうが、ヴァンパイアとして復活してグループに仲間入りを果たす。さらに彼が人間時代の友人スチューを皆に紹介したことで、共同生活に少しずつ変化が訪れる……。



 ドキュメンタリータッチなのでヴァンパイアたちの生活を覗き見している感覚が楽しく、ゆるい笑いが満載。ヴァンパイアもののパロディとしてわかりやすいところもいいし、なにより友人たちで作っているためか仲間内で楽しんでいるのがよく伝わってくる。スチュー役スチュー・ラザフォードはワイティティの高校時代の友人であり、常に自然に振舞うように指示されていたらしく本編中ほとんど物静かだが、無表情のままぽつりぽつりと話す様子がかえってリアルで効果的。突然なんだか危ない連中に付き合わされてしまった、という雰囲気もよく出ている。しかも本人はプレミアで本編を観るまで自分が演じた役柄の重要度を全くわかっていなかったのだとか。


 初めて出来た人間の友達スチュー。血色がよく赤いほっぺをしたその顔にヴァンパイアたちはたちまち魅了されるが、「ダチの血は吸わない」と固く約束し、欲望をおさえながら交流を深めていくのだった……。



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