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映画を作っていないと不安になる――アリ・アスター監督『ミッドサマー』【Director's Interview Vol.55】

映画を作っていないと不安になる――アリ・アスター監督『ミッドサマー』【Director's Interview Vol.55】

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書いていないと不安。常にもの作りをしていたい



Q:なるほど。『へレディタリー/継承』も『ミッドサマー』も、キャラクターの“過去”がキーになっていますもんね。映像的な演出についても伺いたいのですが、『ミッドサマー』では、序盤は間接照明を多用していたのがスウェーデンに行くと一気に画面が明るくなったり、カメラが360度回って物語自体のスイッチが入ったり、主人公がトランス状態になると花が呼吸して見えるなど、スタイリッシュな演出が炸裂します。こういったセンスは、どうやって培ったのでしょう?


アリ:僕の場合は、常に自分をワクワクさせてくれるようなイメージを探しているんだ。そういう意味では、ものすごく貪欲な読者であり、観客でもあるね。世の中には、見本になるものがたくさんある。映画もできるだけ観るようにしているし、博物館や美術館、ギャラリーにもなるべく足を運んで、可能な限りアートに触れる機会を作っている。


と同時に、そういったものから一歩離れて、「ちゃんと人生を生きる」ということも意識している。生活の中からインスピレーションをもらえることも多いからね。ただ、ひとつ言えるのは、ものを書いていないときは幸せじゃなくなるんだ(苦笑)。




Q:あぁ、すごくわかります。


自分は今、創造性を何かに阻害されているな、ストーリーやイメージが浮かばないな……っていう風になると、ものすごく不安になるんだよね。だから僕は、常にもの作りをしていたい。「書きたい、映画を作りたい」という気持ちが、背中を押してくれているのかもしれないね。



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