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『スター・ ウォーズ』パロディの傑作『スペースボール』【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.41】

『スター・ ウォーズ』パロディの傑作『スペースボール』【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.41】

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ひと味違った豪華なパロディ



 リック・モラニスが『ミクロキッズ』のリブート作にて本格的に俳優業に復帰するらしいので、『ゴーストバスターズ』と並んで、個人的にすぐ思い浮かぶ出演作である、『スペースボール』について。メル・ブルックスによる『スター・ウォーズ』を中心としたSFパロディ作品で、特撮は当のSW第一作目『エピソードIV 新たなる希望』に携わったジョン・ダイクストラのプロダクションと、彼の古巣にしてSWを生み出した工房であるILMが担当しているという豪華さ、そして巨匠ブルックスへの敬意からジョージ・ルーカスが公認していることから、ただのパロディ作品の枠を超えた存在感がある。


 物語はいきなり「第11章」(もちろんいきなり第4章から始まる本家の真似)、空気を使い果たしてしまった惑星スペースボールの大統領スクルーブは惑星ドルイデアから大気を奪い取るため、ドルイデアの王女ヴェスパを誘拐しようと企んでいた。ヴェスパ姫は冴えないアクビ王子との結婚が不満で国王である父親のもとから逃げ出したところであり、国王は娘と彼女が乗って行った愛車を保護するためさすらいの宇宙船乗りローン・スターを雇う。こうしてスペースボール軍の追跡をかわす彼らの冒険が始まるのだった……。


 わざわざ説明する必要もなさそうだが、ローン・スターはルーク・スカイウォーカーとハン・ソロをひとりにまとめた主人公で、相棒バーフは半人半犬ということでチューバッカ(チューバッカ自体のインスプレーション元のひとつはジョージ・ルーカスの愛犬だった)、ヴェスパ姫はレイア姫、従者ロボットのドット・メイトリクスはもちろんC-3PO(金ピカのボディに加えてブロンドの髪が生えているのが可笑しい)。ローン・スターはトボけながらもかっこいいというハン・ソロっぽさがありなかなかいいキャラクター。演じるのはビル・プルマンなのだが、『インデペンデンス・デイ』からおよそ10年前、とっくに宇宙の悪者と戦っていたのだ。


 乗りこなすのはイーグル5号という宇宙船で、古ぼけたキャンピングカーに推進エンジンと翼をつけただけの単純な形だが、そのオンボロ感がミレニアム・ファルコン号をしっかり踏襲している(ファルコンに対してイーグル)。ほとんど車なので愛機というより愛車だが、実際SWにおける宇宙船の存在も、『アメリカン・グラフィティ』の車たちがそのまま形を変えたようなノリなので、このアレンジは結構的を射ていると思う。ガソリンで動くというのもいい。文字通り車を転がすような軽快さだ。


 ダイクストラやILMが担当しているというだけあって視覚効果は安っぽくないし、イーグル5号をはじめ模型などもよくできている。冒頭、本家の有名なオープニングに倣って巨大な宇宙戦艦が画面を通り過ぎていくのだが、延々と船体が続きなかなか通り過ぎないというギャグを、しっかりディテールの作り込まれた宇宙船でやってしまうのだからすごい。長すぎると言わせるだけのはずがそのごちゃごちゃした機械の表面は見ていて飽きない。



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