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『Daughters』津田肇監督 “異業種”が生み出す、映画制作の新・潮流【Director's Interview Vol.78】

(C) 「Daughters」製作委員会

『Daughters』津田肇監督 “異業種”が生み出す、映画制作の新・潮流【Director's Interview Vol.78】

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最初で最後の覚悟。やりたいことは全部詰め込んだ



Q:なるほど。撮影手法も、GoPro的なものから手持ちでぶらしたり、水中カメラがあったりと、多様なアプローチが観られる作品かと思います。この辺りも津田監督がどんどんアイデアを出されて、作っていったのでしょうか?


津田:ガチャガチャしちゃったらいやだなとは思いつつ、「この作品が最初で最後になるかもしれない。だったら、やりたいことは全部詰め込もう」と思ったんですよ(笑)。


Q:ロケ撮影も結構多いですよね。


津田:そうなんです。ラインプロデューサーが「シーン、滅茶苦茶多いですね……」って驚いてました(笑)。予算的にも削るかどうか、という話は出たんですが、頑張って入れ込んでくれましたね。


Q:あともう1つお伺いしたいのは、“音”についてです。赤ちゃんの心音が次のシーンのクラブでのBPMにつながっていくなど、音のデザインが魅力的でした。これらは、当初から意図していたことなのでしょうか?


津田:サウンドデザインチームが優秀だったおかげですが、心音に関しては脚本段階から構想していました。「映画の半分は音だ」とおっしゃっている監督も多いので、自分の中では意識して「ここはだんだん空調の音を挙げていこう」とか、色々と試行しました。



Q:冒頭、あえてセリフを「聞かせすぎない」演出も面白かったです。ただ、妊娠告白のシーンなど、重要なポイントでは音が立つ。聴覚的なアプローチが、印象に残りました。


津田:もともと「セリフであれこれ説明したくない」というのがあって、おっしゃる通り冒頭のふたりの会話は、最悪何を話しているかわからなくてもいい、と思って作りました。


伝えたかったのは、セリフそのものというよりも、小春と彩乃が仲良く話している“感じ”。空気感や雰囲気が、僕にとっては重要でした。でも、妊娠発覚後、ドラマが転がり始めたらちゃんとセリフを聞かせたい。まさにそこは意識したところです。


ただ、今回長編を作ってみて、音の部分はもっともっと勉強したいと思いました。まだまだ足りていないですし、学びたい部分ですね。



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