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スタジオライカ最新作『ミッシング・リンク』クリス・バトラー監督×八代健志監督リモート対談 ストップモーションの可能性を広げたい【Director's Interview Vol.91】

スタジオライカ最新作『ミッシング・リンク』クリス・バトラー監督×八代健志監督リモート対談 ストップモーションの可能性を広げたい【Director's Interview Vol.91】

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ストーリーを語るために、全ての手法を使う



クリス:僕はストップモーションアニメと、2Dアニメーションや3DCGを、全く違う媒体だとは考えたくないんですよね。実写と同じ方法を用いて作っていいし、映画を作るなら、何でも自分の作りたいものを作るべきだと、僕は考えています。


ごん』を拝見してすごく思ったのは、例えば木に止まっている鳥だったり、岩にぶつかる雨粒だったり、物語のプロットと直接関係がないシーンがあって、それが世界観を作っているんですよね。でもストップモーションでは、そういうシーンにもお金や労力がかかってしまうから、後回しにされたり、カットされたりしますが、それをあえて入れることが作品を特別なものにするんです。そしてそれが、映画というものだと思うんです。


八代:ストーリーを語るために手法は関係ない、それはライカの作品を見ていると本当にストレートに感じます。




僕らはどちらかというと、あえてストップモーションらしく見えるように意識しながら作っているところがあるんですが、ライカの作品はもっとプリミティブに、映画ってこういうものだ、アニメーションってこういうものだっていう思いにまっすぐで、原始的な原動力みたいなものをすごく強力に感じます。僕らと方向性は違うけど、同じストップモーションを作る者としてすごく心強い存在だと、いつも感じています。


クリス:そうですね、どちらの方法もありますよね。


『ミッシング・リンク』の場合は「全てのツールを使おう」という選択をしました。正直にいうと他の技術(テクノロジー)とのハイブリッド作品だと自負しています。それによって、いわゆるストップモーションならではのロマンチックさ、あるいはノスタルジア(懐かしさ)だけでない作品になっています。


自分の作りたい世界観や「美」の基準に合わせて、方法を変えることができる。そこがストップモーションの懐の深さであり、良いところですよね。八代監督のやり方も、僕らのやり方も、どちらもありうると思います。



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