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『ばるぼら』手塚眞監督 父・手塚治虫の異色作をエロスと純愛にフォーカスし映画化【Director’s Interview Vol.95】

『ばるぼら』手塚眞監督 父・手塚治虫の異色作をエロスと純愛にフォーカスし映画化【Director’s Interview Vol.95】

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「とにかく考えないでやる」二階堂ふみの役作り



Q:稲垣吾郎さんと二階堂ふみさんは、役になり切った演技が素晴らしかったと思いますが、監督から見てお2人はいかがでしたか?


手塚:もう本当にこの2人以外は考えられないっていうぐらいにハマってましたね。それと2人のバランスが良かったです。見ているうちに、ブラック・ジャックとピノコみたいに見えてきたんですよ(笑)。「次回作はブラック・ジャックとピノコがいいね」って2人にも言ったんですが、手塚治虫のキャラクターの関係性に近い所に2人は到達して、それを表現できていたっていうことだと思います。


Q:ばるぼらという女性はかなり掴みどころのないキャラクターですが、役作りはどんな風にされたんですか。


手塚:二階堂さんは、何の疑問も質問もなく、演じてくれたんですよ。普通の俳優だったら「これどういうことですか?」とか「ばるぼらの正体は何ですか?」とか多分気にすると思うんですね。でも全然気にしないで、「とにかく脚本にあることをやります」と言って、ほとんど質問も何もなく演じてくれたんです。




Q:そうなんですね。かなり難しい役柄だと思うのですが…。


手塚:考えると難しいと思うんです。でもそこは彼女の勘の良いところで、「今回はとにかく考えないでやる」と。「衣装を着てカメラの前に出て、ただ動いてみます」と。それが間違った方向に行ったら僕は何か言ったと思うんですけど、彼女が演じているままでいいと思ったんので、口を挟まなかったですね。


Q:原作との相性も含めて良かったということなんですね。


手塚:そうですね。稲垣さんと二階堂さんは途中からは役が乗り移っている感じでしたね。もうキャラクターそのものになっているから考えるまでもなく動くし、それが正解なので、口を挟む必要がありませんでした。


Q:では監督は細かな演技指導はされずに?


手塚:全然しなかったですね。むしろカメラマンのドイルさんとはいろんな意見を戦わせながらやったんですけど、稲垣さんと二階堂さんに関してはほとんどなかったですね。



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