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『AWAKE』映画好きだけに映画を作っていたら、日本映画は終わる。若葉竜也が考える、コロナ禍のエンタメ論【Actor's Interview Vol.10】

『AWAKE』映画好きだけに映画を作っていたら、日本映画は終わる。若葉竜也が考える、コロナ禍のエンタメ論【Actor's Interview Vol.10】

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心地よい緊張を感じた、吉沢亮との対峙シーン



Q:若葉さんの「人物造形論」、非常に興味深いです。そういった考え方は、作品によらずされているのでしょうか。


若葉:そうですね。僕はどの映画でも「役づくり」をやっていなくて、必要最低限の準備だけして現場に行きます。というのも、映画は監督のものなんですよね。役者ができることって、実はすごく少ないんです。


メイクやスタイリスト、監督、美術、照明、撮影、録音――そういった方々が集った総合芸術の中で、100%スタッフに支えられてなんとか立っているのが役者。脚本や企画書ができた段階でもう映画の九割方は完成していて、そこに入ってきて言われたことをやるのが、僕たちの仕事だと思います。あとはどれだけ、今までみんなが可能性として見ていなかったところを提示できるかだと思いますね。



©2019『AWAKE』フィルムパートナーズ


Q:『AWAKE』は、「陸のパート」「英一のパート」がそれぞれ描かれ、やがてつながるという構成になっています。観客はそれぞれの動きが組み合わさったものを観ますが、撮っているときは別々ですよね。難しさはありましたか?


若葉:いや、難しさは特に感じなかったですね。吉沢くんとは、実は3日間ぐらいしか撮影が一緒じゃなくて、お互い演じるうえでのやり取りやすり合わせもほとんどなかったですが(苦笑)、でもお互いにお互いのパートを感じ取ってやっていたように思います。


Q:そうだったんですね。作中だと2人の“対決”シーンはすごく迫力があったのですが、現場はどのような感じだったのでしょうか。


若葉:現場自体は、和気あいあいとかニコニコしてみんなが楽しく撮っているという感じではなく、しっかりとした“緊張の糸”がありました。


吉沢くんもこの世界で長年しっかりとやってきている方なので、その緊張感を崩さないというか、すごく理解ある方だと思います。僕もそういう現場のほうが好きですね。僕がいないところでは、和気あいあいとやっていたのかもしれないけど(笑)。




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