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『ブレイブ -群青戦記-』本広克行監督 役者にもスタッフにも求める、行間を読む力と創造性【Director’s Interview Vol.108】

『ブレイブ -群青戦記-』本広克行監督 役者にもスタッフにも求める、行間を読む力と創造性【Director’s Interview Vol.108】

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スタッフをも魅了する新田真剣佑



Q:本広作品はダイナミックな画作りも魅力の一つです。カメラマンとはいつもどんな話をされているのでしょう?絵コンテなどは描かれているのですか。


本広:カメラマンは毎回違うんですよ。それに伴って、カメラマンが絵コンテを要求する場合や、アクション監督がビデオコンテを作ったり、いろんなパターンがありますね。一緒に組む助監督たちが提示する方法があれば、それも採用します。僕自身が決めている方法などは全くないですね。


Q:監督のほうから事前に画角の希望を出すことはないのですか?


本広:ないです。基本は現場で芝居を付けて、それを見てその場でカットを割ります。合成が絡むと絵コンテを作りますが、それ以外は現場でカメラマンと一緒に決める体制です。僕自身は、かっこいい画を撮ってるつもりはあまりないですけどね。


Q:なるほど。映画全体としてそう見えてしまうのですかね。


本広:『踊る大捜査線』のときは、やっぱり織田裕二さんが光ってましたよね。今回は新田真剣佑が抜群によかった。現場でモニター見ながら「かっこいいなぁ」って、つい呟いちゃうこともありました。やっぱり主役を背負う人はスタッフをも感動させないと、お客さんまで届かないですから。



©2021「ブレイブ -群青戦記-」製作委員会 ©笠原真樹/集英社


Q:今回の映画では、個性あふれるキャラクターがひしめく中、新田真剣佑さん演じる西野は比較的落ち着いた抑制されたキャラクターです。にもかかわらず、主役として抜きん出た存在感がありますよね。真剣佑さんとどんなお話をされたのでしょうか。


本広:西野というキャラクターは、最初はとにかく目立たない。その後、辛い試練に何度も直面し、それを乗り越えようとどんどん覚醒していく。責任というものを背負うようになっていく。そう伝えましたね。劇中、朝の光の中、一人で竹刀を振るところがターニングポイントだと。


西野は、ラウンドキャラクターといって、目標に向かって成長曲線を描く設定なんです。最初は『ちはやふる』(16-18)で演じた新で、そこからどんどん成長して『OVER DRIVE』(18)で演じた直純になっていく、真剣佑にはそう冗談混じりに伝えていました。実はこの2作の監督は、二人とも僕がROBOTに所属していた時の後輩なんです。


Q:確かに、小泉徳宏監督と羽住英一郎監督ですね。


本広:同じ真剣佑なのに、小泉監督と羽住監督が作った映画でキャラクターが全然違うんです。そう言うと真剣佑は笑ってましたけど、でもそれはそれで分かりやすかったみたいですね。成長曲線の描き方は非常に上手でした。




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