三船、勝新、雷蔵に、タイムトラベル、そしてキラキラ恋愛映画まで。これら全てがてんこ盛りとなった、青春映画の新たな傑作。それが『サマーフィルムにのって』だ。ここまで聞くと、一体全体どんな映画なんだ⁉︎と混乱必死だが、これが驚くべきことに面白く、作品からあふれ出す映画愛には、思わず胸が熱くなってしまうのだ。
そんな映画を織りなすキャラクターたちは、愛すべきやつらが満載。特に主演の伊藤万理華に至っては、新世代のミューズの如く、眩しいくらいの輝きを放っている。
ありそうでなかったこの青春映画の傑作を、一体どのように作り上げたのか?松本壮史監督と脚本を手掛けた三浦直之氏に話を伺った。
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サウナ合宿で詰めたプロット
Q:青春・時代劇・SFと、盛り沢山で最高に面白かったのですが、色々と詰め込んだ企画はスムーズに通ったのでしょうか。
松本:割とスムーズでしたね。企画書には、青春×SF×時代劇×〇〇みたいに、色んなジャンルを掛け算で書いていまして、それが面白いと言われました。企画書の段階ではもっとてんこ盛りで、企画としては面白いけど、全部が実現するかどうかはまだ分からなかったですね。
Q:この企画作業はお二人でされたのでしょうか?内容的に結構盛り上がりそうですよね。
松本:そうですね。僕ら二人を含めた四人でやっていたのですが、かなり盛り上がりましたね。
三浦:これはいけるんじゃないかと、打合せの後は興奮して帰った気がします。
Q:プロットのどの部分がいちばん盛り上がったのでしょうか。
松本:三船や勝新など、時代劇が好きな主人公のところに、未来人が来るという設定がもう訳わからなくて(笑)、超面白くなりそうという感じでしたね。
『サマーフィルムにのって』© 2021「サマーフィルムにのって」製作委員会
Q:皆さんでプロットを作ってから、三浦さんが脚本に落とし込まれたのでしょうか。
三浦:皆でプロットを作った後も、松本さんたちとディスカッションしながら形にしていく感じでした。
松本:合宿とかしてね。
三浦:そうそう。みんなで泊まり込んで、一緒に作っていきましたね。
Q:合宿はどちらに行かれたのですか。
松本:僕らサウナが好きで、最初の打合せも池袋のサウナだったのですが、合宿は所沢にあるカプセルホテルが付いているサウナでした。
Q:楽しそうですね。家族部屋みたいなのところがあるのですか。
松本:コワーキングスペースみたいなところがあって、そこでやりましたね。