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『G.I.ジョー：漆黒のスネークアイズ』谷垣健治アクション監督 87イレブンからの推薦でハリウッド大作へ【Director’s Interview Vol.154】
最優先されたのは撮影スケジュール
Q：ハリウッド大作ということで、予算含めた規模が日本映画等とはかなり違ったかと思いますが、実感としてはいかがでしたか？
谷垣：予算がある映画も無い映画も、結局最後は時間とお金が足りなくなるんです。ただ今回は、時間とお金の管理が普段以上にシビアだったなと思います。撮影に対してクラフトマンシップが入り込む余地があまりない。それくらいビジネスライクでしたね。
例えば、僕はアクション監督とセカンドユニット監督を兼任していたのですが、ロバート監督と一緒にファーストユニットでアクションを撮るのと同じ日に、セカンドユニットでもアクション撮影が組まれていたりするんです。そうなると当然、僕はどちらか一方の撮影にしか参加できない。つまり、僕がアクションシーンを統括できなくなるんです。とにかく日程通りに終わらせることが最優先とされていました。日本だとこんなスケジュールはありえないですね。
『G.I.ジョー：漆黒のスネークアイズ』©2021 PARAMOUNT PICTURES.HASBRO,G.I.JOE AND ALL RELATED CHARACTERS ARE TRADEMARKS OF HASBRO. © 2021 HASBRO. ALL RIGHTS RESERVED.
日程内に仕上げるためには多少の予算がかかっても構わない、そういうスタンスもありました。撮影開始後6時間以内に食事休憩を入れる必要があって、6時間経っても食事休憩に入れないと「ミールペナルティ」といって6分毎に15ドルを各スタッフに支払うそうです。例えば外での撮影などで日が暮れるまでに撮りきらなければいけない時は、食事休憩は無しにしてケータリングが用意してくれたつまめる食べ物を片手に撮影を続ける。撮りきれなかった時のことを考えるとそっちの損害の方が大きいから、多少ペナルティを払ってでも、撮りきれ！ということです。
そのへんの損得勘定の割り切り方はすごかったですね。日本だと曖昧に進めて、結局お金もかかって撮りきれずに終わってしまうこともあるのですが、それと比べると今回の進め方は明快でわかりやすかったです。
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