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『モスル~あるSWAT部隊の戦い~』マシュー・マイケル・カーナハン監督 事実に基づき再現された“現代の戦場”【Director’s Interview Vol.163】

『モスル~あるSWAT部隊の戦い~』マシュー・マイケル・カーナハン監督 事実に基づき再現された“現代の戦場”【Director’s Interview Vol.163】

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映画の持つ“力”とは



Q:ジャーセム少佐(スヘール・ダッバーシ)の常にゴミを片付ける行動が非常に印象的でした。それはまるで、自分たちの街を再生させようとする少佐の意思のような気がしましたが、少佐の行動に込めた意図があれば教えてください。


カーナハン:あの凄まじい破壊の中から街を再建するには、まず出来ることはゴミを拾うことだと思うんです。本当に小さなことなのですが、それはとても美しいことでもあります。おっしゃる通り、その意図を少佐の行為に込めました。


この少佐のキャラクターは冷徹な殺し屋というイメージも持ちながらも、同時にチームの父親的存在にもなっています。実は当初イメージしていた少佐は、とても大柄でワイルドなキャラクターでした。ですが、少佐役のオーディションでスヘールに会うと、彼の持つ表情や人間性が、この映画にとてもいい重みを与えてくれるんじゃないかと、少佐というキャラクターに対する考えが変わったんです。



『モスル~あるSWAT部隊の戦い~』Ⓒ2020 Picnic Global LLC. All Rights Reserved.


Q:本作のように、映画という大衆芸術(エンターテインメント)に社会問題を含めて提起することは、無関心層に訴えるのには非常に有効な手段ではないかと思うのですが、その辺りのご意見があれば教えてください。


カーナハン:今言われたことは、私自身実際に体験しています。『プライベート・ライアン』(98)を観たときがまさにそうでしたね。私はワシントンの墓地のことや、軍人たちの歴史的背景についてあまり知らなかったのですが、『プライベート・ライアン』を観たことで、戦争や軍人、彼らが抱えていた問題などを初めて知ることができました。また、映画によっては、それを観たことによって人々が実際に行動を起こして、時には政治ができない役割まで担うこともありますよね。まさに映画というものは、そういったパワーを持っているんだと思います。


「事実は小説よりも奇なり」という言葉もありますが、実際に起きたことの中にある素晴らしいストーリーから、我々人間はいろんなことを学んでいくことができる。映画というものは、それを実現するためのとても優れたツールの一つだと考えています。




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監督・脚本:マシュー・マイケル・カーナハン

アメリカ、ミシガン州、デトロイト生まれ。南カリフォルニア大学(USC)で政治学の学位を取得し、サンフランシスコの弁護士事務所で働き始める。その後、ワシントンDCのシンクタンクに5年間勤める。映画監督として活躍する兄のジョー・カーナハンから脚本を書くように説得され、ピーター・バーグ監督の『キングダム/見えざる敵』(07)を執筆。続いて、ロバート・レッドフォード監督の『大いなる陰謀』(07)を手掛け高く評価される。その他の作品は、『消されたヘッドライン』(09)、大ヒット作『ワールド・ウォー Z』(13)、『バーニング・オーシャン』(16)、『21ブリッジ』(19)など。本作で監督デビューを果たす。 



取材・文:香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。





『モスル~あるSWAT部隊の戦い~』

11月19日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ他にて全国ロードショー

配給:ポニーキャニオン

Ⓒ2020 Picnic Global LLC. All Rights Reserved.

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