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『ライダーズ・オブ・ジャスティス』アナス・トマス・イェンセン監督 仲間の俳優をイメージして脚本を書く喜び【Director’s Interview Vol.176】

© 2020 Zentropa Entertainments3 ApS & Zentropa Sweden AB.

『ライダーズ・オブ・ジャスティス』アナス・トマス・イェンセン監督 仲間の俳優をイメージして脚本を書く喜び【Director’s Interview Vol.176】

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ロックダウン直前に撮影が終わった幸運



Q:今回の主人公も、最初からマッツ・ミケルセンを想定していたのでしょうか?


イェンセン:もちろん! 基本的にマッツは私のオファーを受けてくれますから(笑)。彼とは最初に短編を撮っていた頃からの付き合いですし、おたがいに一緒に働くことが大好きなんです。気づくと、いつも近くにいる存在ですね。私には家族と呼んでもいい俳優仲間が何人かいて、彼らの顔を思い浮かべながら脚本を書きます。今回もマッツをイメージしてマークス役を描写しました。


Q:マッツは兵士役ということでハードなアクションも見せますが、バイレンス描写は全体的に強烈ですよね。


イェンセン:この作品は多ジャンルのミックスで、シリアスでエモーショナルなドラマ、ドタバタと言ってもいいコメディ、そして荒々しいバイオレンスが同居しています。ですから、それぞれに対し「こうあるべき」描写を心がけました。たしかにショックを受ける観客もいるでしょう。でもデンマークは暴力的な映画が多いのも事実で、下品な描写でなければ受け入れてもらえます。私自身、バイオレンスを映画で観るのは好きですし、作品にとって劇的なツールになると考えます。



『ライダーズ・オブ・ジャスティス』© 2020 Zentropa Entertainments3 ApS & Zentropa Sweden AB.


Q:本作の撮影は、新型コロナウイルスの影響を受けましたか?


イェンセン:この作品の撮影が終わって5日後に、ヨーロッパ内で移動の制限が行われ、ロックダウンへ突入しました。私たちは幸運にもスペインのロケ地から自宅へ戻ることができたのです。映画も公開できたのですが、18日間だけ上映し、その後、映画館が営業停止になりました。4〜5週後に再開され、観客も戻って来てくれましたよ。プロモーション活動が行えなかったわりに成功したと思います。


Q:『ライダーズ・オブ・ジャスティス』は、それぞれの才能が集団で何かを成し遂げる、一種の犯罪ムービーでもありますが、このタイプの映画は近年、ハリウッドなどでも目立ちますよね。


イェンセン:たしかにNetflixなんかを観ていると、集団犯罪ムービーがよく目に入ってきたりします。デンマークでも最近、多様なエキスパートを1つの部屋に集めて、謎を解かせるTV番組が人気です。世の中は何かと陰謀論が増えてますから、解きたい謎もいっぱいあるのでしょう。ちょっと話がそれましたが、特定のタイプの作品の世界的な流行は偶然でもあると思います。




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