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『キャッシュトラック』ガイ・リッチーとジェイソン・ステイサム、年を重ねた二人で描くLAクライム ※注!ネタバレ含みます。

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『キャッシュトラック』ガイ・リッチーとジェイソン・ステイサム、年を重ねた二人で描くLAクライム ※注!ネタバレ含みます。

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※本記事は物語の核心に触れているため、映画をご覧になってから読むことをお勧めします。


『キャッシュトラック』あらすじ

LAにある現金輸送専門の武装警備会社フォーティコ・セキュリティ社。日々、百貨店やカジノ、銀行などあらゆる場所から集められた現金を積んだ現金輸送車(キャッシュトラック)を運転するのは、特殊な訓練を受け厳しい試験をくぐり抜けた強者の警備員たち。ヨーロッパの別の警備会社の倒産で職を失くし、フォーティコに雇われた新人パトリック・ヒル(ジェイソン・ステイサム)、通称“H”。同僚の“ブレット”(ホルト・マッキャラニー)の指導のもと、試験をぎりぎりで合格した彼は周りから特に気に留められる存在ではなかった。しかし、ある日彼の乗ったトラックが強盗に襲われ仲間が人質に取られた時、驚くほど高い戦闘スキルでそれを阻止する。Hによって皆殺しにされた強盗への過剰防衛を疑うFBIも捜査に動くが、フォーティコの社長は仲間と現金を守り切った彼を英雄扱いする。Hはフォーティコでの地位を徐々に確立していくが、その数カ月後、新たな強盗によってHの乗るトラックがまた襲われる。しかし、今回は彼の顔を見た犯人たちがなぜか金も奪わずに逃げ出してしまった。同僚のブレットやデイヴ(ジョシュ・ハートネット)は彼が一体何者なのかを疑い始め、Hの周囲は疑心暗鬼に陥る。そんな中、感謝祭の次の金曜日、全米で最も現金が動く日とも称される“ブラック・フライデー”にフォーティコ社に集められる約1億8,000万ドルの大金を狙った緻密な強奪計画が、静かに進行していた…。


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ガイ・リッチーとジェイソン・ステイサム、久しぶりのコンビ



 英国の監督ガイ・リッチーが、ジェイソン・ステイサムに出会ったのは90年代のこと。水泳の元選手で、モデルでもあったジェイソンの可能性にほれ込んだリッチーは、自身の監督デビュー作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(98)で主役のひとりに起用し、映画は世界中でヒットした。


 そんなふたりは『キャッシュトラック』(21)で16年ぶりにコンビを組んだ。謎めいた主人公H(ジェイソン・ステイサム)が、現金輸送会社フォーティコ・セキュリティにやってくる冒頭から一気に画面に引き込まれ、最後まで飽きさせない。理屈ぬきで楽しめるエンタメに仕上がっているし、ビターチョコレートのようなホロ苦い味わいもいい。


『キャッシュトラック』予告


 初期のコンビ作『ロック、ストック……』や『スナッチ』(00)は英国の裏ストリートの活気があふれる作品で、当時のリッチーは30歳前後だったが、50代となった現在は、大作『シャーロック・ホームズ』シリーズ(09~)やミュージカル映画『アラジン』(19)の成功で、ハリウッドのヒットメイカーとしての地位も築いた。一方、彼が発掘したジェイソン・ステイサムも、すでに50代。シルベスター・スタローンの右腕を演じる『エクスペンダブルズ』シリーズや大人気の『ワイルド・スピード』シリーズへの出演もあり、今では多くの固定ファンを獲得するアクション映画界の大物スターになった。


 そんなふたりが久しぶりに組むことで、かつての作品群とは異なる個性が生まれている。




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