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『TITANE/チタン』ジュリア・デュクルノー監督 ユーモアを入れることはミクスチャー【Director’s Interview Vol.197】

©KAZAK PRODUCTIONS - FRAKAS PRODUCTIONS - ARTE FRANCE CINEMA - VOO 2020

『TITANE/チタン』ジュリア・デュクルノー監督 ユーモアを入れることはミクスチャー【Director’s Interview Vol.197】

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シリアルキラーの視線に学ぶ



Q:信じがたいくらいユニークな物語が展開しますが、ヴァンサン・ランドン(ヴァンサン)とアガト・ルセル(アレクシア)の二人の熱演が力強い説得力を持ち、物語に命やリアリティを吹き込んでいます。二人とはどのような話をされたのでしょうか?


デュクルノー:アガト・ルセルは新人ですが混沌とした溢れるエネルギーを持っていました。一方ヴァンサン・ランドンは40年のキャリアがあるベテランです。二人が出会ったらすごく面白くなるだろうと確信がありました。キャリアの違う二人でしたが、私の世界では二人とも新人です。新人・ベテランと区別はせず、どちらにも同じスタンスで向き合いました。


アガト演じるアレクシアは今回ほとんどセリフがありません。つまり視線や表情での演技が求められるわけですが、新人の彼女にはかなりハードルが高い。そこで、シリアルキラーが出てくる映画をたくさん観てもらい、彼らの視線をなんとか会得してもらいました。それは今回の彼女の演技にバッチリ生かされていると思います。



『TITANE/チタン』©KAZAK PRODUCTIONS - FRAKAS PRODUCTIONS - ARTE FRANCE CINEMA - VOO 2020


一方でヴァンサンの役作りには心理的な掘り下げが必要でした。彼が演じるキャラクターは強さと同時に弱さも持ち合わせていて、包容力もあれば不穏な雰囲気もある、まさに光と影のような人物です。その両方が自然な感じで溢れて出てくるよう議論を重ねました。


また、今回の映画では二人に裸になってもらうシーンがいくつかありました。ただし決してセクシーな表現としてのものではない。それを十分に理解してもらい同意を得た上で、最小限のスタッフで撮影に臨みました。彼らが気になったところがあれば遠慮なく言ってもらい、そこも配慮しながら撮影を進めました。




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