©KAZAK PRODUCTIONS - FRAKAS PRODUCTIONS - ARTE FRANCE CINEMA - VOO 2020
『TITANE/チタン』ジュリア・デュクルノー監督 ユーモアを入れることはミクスチャー【Director’s Interview Vol.197】
ユーモアを入れることはミクスチャー
Q:想像を超えた過激な展開に直面すると、意図せず笑ってしまうことがありますが、本作にもそのようなシーンがありました。「笑い」は意識されているのでしょうか?
デュクルノー:すごく意識していますね。ユーモアを映画に持ち込むことは大切です。私はいろんなジャンルをミクスチャーして一つの作品に登場させるのが好きなんです。悲劇的で痛みを感じるところもあれば、コミカルで軽やかなところもある。そういうミクスチャーにはすごくこだわっています。人間は喜怒哀楽の感情を持っていますよね、それが人物の中から湧き出てくるようにしたい。特に今回は緊張感が漂うストーリーなので、笑いのエッセンスをいれて息抜きさせることが必要なんです。
『TITANE/チタン』©KAZAK PRODUCTIONS - FRAKAS PRODUCTIONS - ARTE FRANCE CINEMA - VOO 2020
また、二人のキャラクターにとても愛着をもっていて、二人の身体にもすごく思い入れがあります。それがグロテスクな表現になったとしても、愛情があるからこそ笑ってしまうのであって、決してキャラクターを愚弄しているのではない。観ている人がグロすぎる表現で思わず笑ってしまったとしても、それは構わないしむしろシェアして欲しいくらいですね。
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監督・脚本:ジュリア・デュクルノー
ラ・フェミス(国立高等映像音響芸術学校)脚本科の卒業。短編映画「Junior」(11・未)がカンヌ国際映画祭の批評家週間に選出されてアンジェで開催されたプレミア部門の観客賞を受賞し、デュクルノーは一躍注目を集めることになった。彼女初の長編映画、「RAW~少女のめざめ~」は2016年のカンヌ批評家週間のコンペティション部門で上映されて衝撃を生み、フィプレシ(国際映画批評家連盟)賞を獲得した。同作品は上映されてさまざまな国際的映画祭(トロント、サンダンス、ジェラールメ、シッチェス)において賞を獲得し、世界中に配給された。デュクルノーは、彼女の2作目の長編映画「TITANE/チタン」で2021年カンヌ国際映画賞の最高賞パルムドールを獲得した。
取材・文:香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
『TITANE/チタン』
4月1日(金)新宿バルト9他全国公開
提供:ギャガ、ロングライド 配給:ギャガ
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