WOWOWとハリウッドが製作した大作ドラマシリーズ『TOKYO VICE』。監督は巨匠マイケル・マン、キャストにはアンセル・エルゴートに渡辺謙、菊地凛子、伊藤英明など日米スターが共演する超大型ドラマとなっている。東京でロケを敢行したことでも話題になった本作だが、主演のアンセル・エルゴートも来日して撮影に参加。ドラマの中では流暢な日本語を披露している。
今回は、来日したアンセル・エルゴートにインタビューを実施。何より驚いたのは彼の口から出てくる流暢な日本語。ところどころ通訳を交えながらのやりとりではあったものの、日本語の質問を理解して日本語で答えるアンセルの言葉は、とても丁寧で気品すら漂っていた。アンセルが感じた日本とは? 話を伺った。
『TOKYO VICE』あらすじ
東京の大学を卒業したアメリカ人青年ジェイク(アンセル・エルゴート)は、故郷に戻ることを勧める両親に反し、難関な試験を突破して日本の大手新聞社に就職する。警察担当記者となったジェイクは特ダネを追いかけるうちに、ヤクザ絡みの事件を手練で解決する刑事、片桐(渡辺謙)と出会う。新聞記者として危険な闇社会へと入り込んでいくジェイクに片桐は忠告する。「この世界は、一度開いた扉は閉じるのが難しい」――。
Index
日本の勉強を毎日4時間
Q:日本語が流暢でとても驚きました。話すだけではなく日本語を書くシーンもあって、日本語の勉強は大変だったのではないでしょうか?
エルゴート:歴史と日本語の先生と一緒に毎日4時間勉強し、日本語の書き方も教えてもらいました。また、ロサンゼルスの事件記者に帯同して実際に取材をして記事も書きました。インタビューの仕方を習ったりして、ジャーナリズムを勉強している学生と同じようなことしました。それがマイケル・マン監督のスタイルで、実際に役になりきって没入することを求められます。地に足がついている様に演じるので、観客がリアルに感じることが出来るのです。
今回マイケル・マンからは「1日9時間勉強しろ」と言われたのですが、実際に勉強したのは4時間でした(笑)。4時間勉強した後は代々木公園に行き、友達を作って一緒に日本語で話したり、レストランに行って日本語で会話をしながら食事をしたりしました。そうやって実際に日本に住んで普通に暮らしたことが役立ちましたね。
『TOKYO VICE』©️HBO Max _ Eros Hoagland
Q:日本について勉強する際に、理解が難しかった文化や風習はありましたか?
エルゴート:そんなに難しくなかったです。昨年末はコロナ禍で帰国できなかったので、年末年始は日本で過ごしたのですが、伊藤英明さんが彼の故郷に招いてくれました。毎日温泉に入って、彼のご家族と一緒に食事をしてお母さんの手料理をご馳走になりました。新年には初詣に行って、英明さんの息子さんとおみくじで大吉を引きました。すごくラッキーでした(笑)。
Q:今回の撮影で知った日本文化はいかがでしたか?
エルゴート:細かいことにも気を配るという日本文化を学び、大変感心しましたね。