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『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』コリン・トレボロウ監督 原点に戻ったテーマを自ら描きたかった【Director’s Interview Vol.225】

© 2022 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』コリン・トレボロウ監督 原点に戻ったテーマを自ら描きたかった【Director’s Interview Vol.225】

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1993年、映画史に革命を起こしたと言ってもいい『ジュラシック・パーク』。CGとアニマトロニクスの融合で映像化された恐竜たちに、世界中の観客は大興奮した。「パーク」から「ワールド」にタイトルが変わりながら、「ジュラシック」シリーズは大ヒットを続けてきた。そして2022年の夏、6作目となる『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』では、世界各地に恐竜が放たれ、人間と恐竜の“共生”が描かれるという、過去のシリーズとは明らかに違うドラマが展開していく。29年前の『ジュラシック・パーク』のメインキャストたちも復帰し、最終章となる本作。『ジュラシック・ワールド』(15)に続いてメガホンをとったコリン・トレボロウ監督が日本公開直前に来日。壮大なるシリーズへの愛や、監督として伝えたかったこと、今回の撮影秘話などを聞いた。


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レジェンド3人との親密な共同作業



Q:『ジュラシック・ワールド』を監督した後、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(18)では脚本と製作総指揮に回り、今回再び監督に戻ったわけですね。


トレボロウ:「最終章だから、ぜひやってくれ」とまわりから懇願されたわけではなく、自らの意思で監督に復帰しました。今回の物語で伝えたかったのは、遺伝子科学が現在の私たちの世界とどうリンクしているかです。マイケル・クライトンの小説では、私たちが住む地球の危機や、自然界への敬意を失った事実がすでに書かれており、人類に対する彼の警鐘を取り入れられる作品ができると確信しました。その重要な役割を果たしたかったので、私は自分で監督することにしたのです。


Q:クライトンのオリジナルの精神を受け継ぐ意味で、『ジュラシック・パーク』の3人の博士、サトラー(ローラ・ダーン)、マルコム(ジェフ・ゴールドブラム)、グラント(サム・ニール)の作品への復帰は重要だった気がします。


トレボロウ:彼ら3人の復帰について、最初はあくまでも“希望”レベルでした。何より大切だったのは、特別出演のような顔見せではなく、彼らが必要とされるストーリーを考えること。それが完成しない限り、3人への出演のオファーはしないという個人的ルールを作ったのです。29年前の『ジュラシック・パーク』の後、彼らはどこで何をしていたのか。それぞれの過去を有機的にストーリーに絡ませることで、観客にも彼らの時間を共有してもらおうと思いました。


『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』© 2022 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.


Q:コロナの影響もあって、製作期間ではその3人のキャストも含め、キャストやスタッフが同じホテルで共同生活を送ったそうですが、結果的に親密なコラボレーションが生み出されたのではないですか?


トレボロウ:そうですね。リハーサルや、その後のディスカッションなども綿密に行った気がします。特に今回は、セリフもキャストたちと一緒に作った感覚ですね。日本での公開では字幕や吹替になると思いますが、セリフの細かいニュアンスなど、すべてキャストに任せました。内容さえブレなければ、その役が自然に話す口調に変えてもらったことも多く、たとえば65歳のキャラクターなら、この地球に65年間生きてきた証が表れていると思います。俳優自身の経験がここまで役にもたらされたのは、私の現場でも今回が初めてかもしれません。





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