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『シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ』セドリック・ル・ギャロ&マキシム・ゴヴァール監督 LGBTQ+を描いた映画に当事者性は必要か【Director’s Interview Vol.251】

『シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ』セドリック・ル・ギャロ&マキシム・ゴヴァール監督 LGBTQ+を描いた映画に当事者性は必要か【Director’s Interview Vol.251】

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感染症、戦争、環境問題……現代社会へのメッセージ



Q:この映画にはロシアが登場しますが、撮影後にはロシアによるウクライナ侵攻が発生しました。コロナ禍で撮影された点も含め、本作は世界情勢に応じて見え方が変化した部分もあると思います。そうした側面を踏まえて、観客へのメッセージをお願いします。


マキシム:僕たちが大切にしていたのは、今回の物語が始まる時点で、シャイニー・シュリンプスというチームがまるで社会そのもののようであること。彼らは一緒に生きているようで、実際には誰もがちょっとずつ自分勝手だし、いろんなことを隠しています。それが現在の社会を――撮影当時もそうでしたが――鏡のように表しているのです。現実の僕たちも団結しているようでありながら、それぞれが自分のことしか考えていないし、戦争や病、環境問題といった心配ごとを抱えてもいる。この試練を乗り越える最善の方法は、国やコミュニティ、グループがそれぞれ連帯して強くなることだし、社会がそれを理解することだと思うのです。



『シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ』©2022 LES IMPRODUCTIBLES - KALY PRODUCTIONS - FLAG - MIRAI PICTURES - LE GALLO FILMS


この映画でシャイニー・シュリンプスはバラバラになり、どん底を経験し、生き残るためには再び協力しなければいけないのだと知ることになります。それはウクライナ侵攻が起きた後のヨーロッパや、コロナ禍の世界にも通じるもの。だから、とても普遍的な映画になったと思うんです。自分の隣にいる人の身体が弱いならマスクをするべきだし、環境問題のために世界は連帯すべき。これからも一緒に生きていくためには、全員が努力しなければいけないのです。この映画から、そういったテーマを感じ取ってもらえればうれしいです。




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監督・脚本:セドリック・ル・ギャロ

フランス最古のテレビ局TF1のテレビリポーターとしてキャリアをスタートさせる。30歳で、テレビ番組「50’s inside」の監督を任され、同時期にフランスのドキュメンタリーネットワークSPICEEで現代芸術のドキュメンタリーを監督する。さらに、自身の劇団で俳優としても活躍。2012年、友人の紹介でゲイの水球チーム「シャイニー・シュリンプス」に加入。15年、フランスのテレビ局Canal+で、名作映画の架空の舞台裏を描いた短編テレビシリーズ「Scene de culte(原題)」の製作に参加。20エピソード分の監督・脚本・出演をつとめた。マキシム・ゴヴァール監督と共同監督した自身初の長編映画となる『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』は、ラルプ・デュエズ国際コメディ映画祭での審査員賞受賞をはじめ、数々の映画祭で受賞した。



監督・脚本:マキシム・ゴヴァール

数々の作家コンテストで入賞後、フランスのメジャーなテレビ番組の放送作家としてキャリアをスタート。2015年に『I Kissed a Girl(原題)』で長編映画監督デビュー。コメディ映画の新境地を開拓し、ラルプ・デュエズ国際コメディ映画祭で大賞を受賞。2017年、2作目のコメディ映画『Daddy Cool(原題)』を監督。18年、プロデューサーの紹介により、実在のゲイの水球チーム「シャイニー・シュリンプス」に所属するセドリック・ル・ギャロと出会い、前作『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』の共同監督・脚本を担当。世界30カ国以上で公開され、様々な映画祭にも招待された。



取材・文:稲垣貴俊

ライター/編集/ドラマトゥルク。映画・ドラマ・コミック・演劇・美術など領域を横断して執筆活動を展開。映画『TENET テネット』『ジョーカー』など劇場用プログラム寄稿、ウェブメディア編集、展覧会図録編集、ラジオ出演ほか。主な舞台作品に、PARCOプロデュース『藪原検校』トライストーン・エンタテイメント『少女仮面』ドラマトゥルク、木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談―通し上演―』『三人吉三』『勧進帳』補綴助手、KUNIO『グリークス』文芸。





『シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ』

10月28日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国公開!

配給:フラッグ

©2022 LES IMPRODUCTIBLES - KALY PRODUCTIONS - FLAG - MIRAI PICTURES - LE GALLO FILMS

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