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『マジック・マイク ラストダンス』スティーブン・ソダーバーグ監督 魅惑のライブショーに触発されて三作目を決意【Director’s Interview Vol.290】

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『マジック・マイク ラストダンス』スティーブン・ソダーバーグ監督 魅惑のライブショーに触発されて三作目を決意【Director’s Interview Vol.290】

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ど真ん中に置いたマイクの男女関係



Q:『マジック・マイク』の一作目はチャニング・テイタムの実体験がベースになっていて、3本の映画が生まれました。『ラストダンス』と前2作はどう違うのでしょうか? またチャニングとは長い付き合いですが、彼がどんな変化を遂げたのか、また、変わらない部分について語っていただけますか?


ソダーバーグ:『マジック・マイク』の最初の2作品では、マイクの男女関係について表立っては描いてなかった。今回はそこを探究したいと思ったんだ。一作目は交際を匂わすところで終わっていて、二作目は恋人との関係が終わったところから始まる。僕たちは、今回はマイクを男女関係のど真ん中に置いてみたかった。


その結果、僕らはこの映画を、男と女にまつわる議論の場にできるんじゃないかと考えたんだ。人は性的にどんなファンタジーを抱き、なにを欲し、どんなものに惹かれるのか? そして性的関係において同意を取ることの大切さについて。今回の映画では、参加する全員がこの映画のために進化する必要があった。一作目の頃の僕らは、まだそのテーマに向き合う準備ができていないか、少なくとも映画にできるレベルには達していなかった。


チャニングには核となるものがあって、決してグラついたりしない。僕らが2010年に初めて会ったときから、変わらずずっと誠実な人間だよ。その一方で、十数年の間にいろんな人生経験を積み、違う考え方ができるようにもなった。他のみんなも13年前とは変わっているから、僕らが進歩できた部分を映画を通じて見せられると思ったんだ。



『マジック・マイク ラストダンス』© 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved


Q:本作はパフォーマンスの映画でもあります。特にクライマックスは30分近くライブショーのシーンが続いて圧巻でした。


ソダーバーグ:今回の大きなチャレンジは2つあって、ひとつ目は、ショーの部分と人間関係のドラマのバランスを取ること。この2つが正しくブレンドされていれば、観客はどちらも充分に味わうことができる。この映画はただショーを作り上げる話でも、男女の恋愛の話だけでもない。その2つをミックスして楽しませる作品なんだ。


2つ目のチャレンジは、映画のダンス描写には先人たちが培ってきた100年以上もの歴史があるわけで、それを踏まえながら、ひとつひとつのダンスを新鮮で際立ったものにすること。幸か不幸か撮影期間はかなり限られていて、熟考するより素早い決断が求められる現場だった。完成品を見ると、もっと時間があったらと思うと同時に、短時間でやり切ろうとするエネルギーがスクリーンに宿っていると思う。観客にも、目の前でなにかが起きている臨場感を感じて欲しいし、それが感じられる映画になったと思っているよ。




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