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『トロフィー』孫明雅監督 × 撮影監督:山崎裕 年齢差49才!タッグを組んだ新人監督とカメラマン【Director’s Interview Vol.573】

『トロフィー』孫明雅監督 × 撮影監督:山崎裕 年齢差49才!タッグを組んだ新人監督とカメラマン【Director’s Interview Vol.573】

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GO』(01)や『パッチギ!』(04)など、在日コリアンを描いた名作は数多あるが、同じ系譜を受け継ぎつつも全く新しいアプローチの傑作が誕生した! 本作『トロフィー』は、在日コリアンのルーツを持つ14歳の少女・ソヒが主人公。学校で朝鮮舞踊に打ち込むソヒが、父親との確執や日本の友人との出会いを通して自身のアイデンティティと向き合っていく、みずみずしい青春映画となっている。


監督を務めたのは、本作が長編デビューとなる気鋭の新人・孫明雅(そんみょんあ)。是枝裕和監督を中心に設立された映像制作者集団「分福」に所属し、是枝監督の『ベイビー・ブローカー』(22)や西川美和監督の『すばらしき世界』(20)などで監督助手を務め、現場で確かな映画作りを学んできた才能だ。


そして、少女たちの躍動感あふれる姿をカメラに収めたのは、日本映画界を牽引し続ける名匠・山崎裕撮影監督。「分福」のDNAを受け継ぐ新人監督とレジェンドカメラマンによる、年齢差実に49歳という異色のタッグはいかにして生まれ、本作のみずみずしい世界観を作り上げたのか。2人に話を伺った。



『トロフィー』あらすじ

在日コリアンのルーツを持つ14歳の少女・ソヒ(恒那)。朝鮮学校に通い、朝鮮舞踊に打ち込む日々を送っている。ある日、日本学校の学生との交流会で出会った未来と、K-POP好きという共通点をきっかけに仲良くなり、ソヒの日常は少しずつ外の世界と交差していく。そんな中、ふたりは推しのK-POPアイドルのライブチケット代を稼ぐために、ソヒの家にある不用品をかき集めてオークションサイトに出品することに。そこで思いがけず高値で落札されたのは、父・サンジュ(井浦 新)がかつて聴いていた一枚の北朝鮮のCDだった。それに味をしめたソヒたちは、しまわれていたサンジュが祖国・北朝鮮から授与された”勲章”までも売ってしまいーー。やがてその出来事は、ソヒが自分自身のことを考える時間へとつながっていくことになる。


Index


ド新人の質問にもちゃんと答えてくれた



Q:撮影を山崎さんにお願いした経緯から教えてください。


孫:そもそも最初に会ったのがいつか忘れました(笑)。


山崎:一緒に仕事をしたのは「潤一」(19 関西テレビ)だけど、多分その前に会ってる。


孫:そうでしたっけ。そこがもうよくわからないです。


山崎:「潤一」の前に何かやってた?


孫:あるとしたらCMですかね。


山崎:是枝監督のCM?


孫:いや、是枝さんのCMにはついていないし、西川さんのCMに山崎さんはいなかった。やっぱり「潤一」が最初なんでしょうね。


山崎:じゃあ、打合せのときに事務所で紹介されたのが最初かな。「潤一」で彼女は演出助手をやってたから、そこでなんとなく仲良くなりましたね。


孫:初めての現場だったので、人物の座る位置ひとつとっても、なぜこの人が右であの人が左なのか、なぜこっちじゃなくて向こうなのか、そういうのが全くわからなかった。先輩たちはすごく忙しそうで「聞くんじゃなくて自分で考えろ!」みたいな感じだったのですが、それを聞かないと前に進めなかった。それで山崎さんにずっと聞いていたんです。そういう法則がわかれば、自分でも考えられるようになるなと。


山崎:適当に答えてたかもしれない(笑)。


孫:いやいや、ちゃんと理由を説明してくれました。こんなしがないド新人が言っていることでも、山崎さんは「じゃあ一度それで見てみようか」と実際にやってくれたんです。私はすごく話しやすかったですね。


山崎:みんなでワイワイ言いながらやっていたので、スタッフはみんな発言出来る現場でしたね。



『トロフィー』向かって左から、撮影監督:山崎裕氏、孫明雅監督


Q:その時から山崎さんにお願いしたいという気持ちはあったのでしょうか。


孫:お願いしたいっていう気持ちは、そうですね。うーん...。


山崎:それからだいぶ経つもんね。


孫:しばらく会っていなかったから、元気かなって思ってました(笑)。山崎さんがどれくらい大丈夫か、私が山崎さんの現場に偵察に行ったりしましたね。その時はまだオファーもしてなかったので、「あいつ俺がちゃんと出来るか見に来やがった」って(笑)。


Q:その後、短編を一緒に撮られたと。


山崎:是枝監督が「初長編やるんだったら、短編で慣れとけ」って。


孫:題材もバレエでしたし。


山崎:今回は朝鮮舞踊で、短編はバレエ。踊りは踊りなんです。「来年は長編やるから」という話だったから、学校の朝鮮舞踊の大会も見に行きました。


孫:山崎さん、ジムにも行ってましたよね。あれは「長編お願いします」って言ってから?


山崎:そうですよ。撮影の1年2ヶ月前くらいの6〜7月にオファーがあったんで。その後8月くらいからジムに行き始めた。最初はその年の冬休みに撮るはずだったけど、間に合わなくて翌年の夏休みに撮ることになった。学校が休みじゃないと場所を借りられないからね。


孫:その間に山崎さんが死んだらどうしようって思っていました(笑)。


山崎:(笑)俺も1年後に動けなかったらヤバいと思ったから、ジムに行ってパワーウォーキングやりました。歩くのは負けないようにね。


孫:「山崎さんに生き甲斐を与えてくれてありがとうね」って、西川さんに言われました(笑)。


Q:山崎さんは直近でも多くの作品の撮影を手掛けられていますね。


山崎:本数は少ないけどポツポツとね。『はじまりの日』(24)とか、森ガキくんの『架空の犬と嘘をつく猫』(26)とかね。北九州で撮った『大いなる不在』(24)は、35mmでしたね。





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