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『ジュラシック・ワールド/炎の王国』CG全盛の現在、アニマトロニクスが息を吹き返した理由 ※注!ネタバレ含みます。

© Universal Pictures

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』CG全盛の現在、アニマトロニクスが息を吹き返した理由 ※注!ネタバレ含みます。

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『ジュラシック・ワールド/炎の王国』あらすじ

ハイブリッド恐竜インドミナス・レックスとT-レックスが死闘を繰り広げ崩壊したテーマパーク<ジュラシック・ワールド>を有する島、イスラ・ヌブラル島では<火山の大噴火>の予兆がとらえられていた。迫り来る危機的状況の中、人類は恐竜たちの生死を自然に委ねるか、自らの命を懸け救い出すかの究極の選択を迫られていた――。そんな中、恐竜行動学のエキスパート、オーウェン(クリス・プラット)はテーマパークの運営責任者だったクレア(ブライス・ダラス・ハワード)と共に、恐竜を救い出すべく行動を起こす事を決意、島に向かったその矢先、火山は大噴火を起こし、生き残りをかけた究極のアドベンチャーが幕を開ける!


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それはアニマトロニクスとCGのせめぎ合いの歴史でもある



 今からちょうど四半世紀前、1993年に公開を迎えた『ジュラシック・パーク』は映画業界に大きな変化をもたらした。これまでにも巨大ザメや地球外生命体など様々な「未知なるものとの遭遇」を生み出してきたスティーブン・スピルバーグ監督が、本作の製作にあたり決断したのは「CGの活用」。もともとは従来型の特殊効果を用いて恐竜を描く予定だったものの、ILMチームによるCG試作品のクオリティがあまりに高かったため、急遽この方法で行こうとゴーサインを出したのだ。その結果として、コンピューター上で生成された恐竜たちが驚くべき質感でスクリーンを席巻するエンタテインメントの金字塔が生まれたのである。


 また、これと共に数多く用いられたのが、ロボット工学を駆使した“アニマトロニクス”という手法だ。こちらはCGとはまた違い、肉感的なリアリティをもたらす上で大きな効果を発揮するものとなった。このように、これまでの主流をなしていた特殊効果がどんどん時代遅れになっていく中、93年より続く『ジュラシック』シリーズはある意味、CGとアニマトロニクスという二大技術によるせめぎ合いの歴史と捉えることもできるだろう。



『ジュラシック・ワールド/炎の王国』© Universal Pictures


 とはいえ、いつしかCG技術の発展は一気に映画業界を飲み込み、世の中は「CGでなんでも描ける」という風潮に。それに伴い『ジュラシック・パークⅢ』から『ジュラシック・ワールド』への流れの中ではCGの割合が一気に増加することとなる。このままいけばアニマトロニクスも時代遅れの産物となり、やがては土俵際から外へ押し出されてしまうのでは・・・そう考えていた人も多かったはずだ。


 だが、そんな見方にくさびを打つかのように、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』ではその技術のせめぎ合いに驚きの変化が見られた。もちろんCGを活用した割合は依然として大きいものの、前作『ジュラシック・ワールド』ではたった1体しか用いられなかったアニマトロニクスが、今回は5体も導入され大きな役割を果たしたという。この急激な変化の裏側にはどのような事情が隠されているのだろうか。



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