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『トレーニングデイ』デンゼル・ワシントンのオスカー受賞演技や本物のギャングが描く、リアルなロサンゼルス

(c)Photofest / Getty Images

『トレーニングデイ』デンゼル・ワシントンのオスカー受賞演技や本物のギャングが描く、リアルなロサンゼルス

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ロサンゼルスと物語を際立させる共演者



  また、ロケーションのロサンゼルスをより浮き彫りにするため、同地区出身のラッパー、ドクター・ドレーとスヌープ・ドッグが出演している。本人たちが出演しているお陰もあって、ドクター・ドレースヌープ・ドッグの名曲「Still D.R.E.」がロサンゼルスの名刺代わりにオープニングから流れ、街の雰囲気を醸し出している。


 同じくミュージシャンであるメイシー・グレイが本作にて女優デビューしており、アントワン・フークア監督は、「カツラを付けて、爪を長く伸ばし、まさに理想的なゲットー・ファビュラス(下品な成金趣味)を演じてくれた」とメイシ―・グレイを絶賛している。


 好演で忘れてはならないのは、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたイーサン・ホークだろう。本作で一番大事な「正義」を貫いたホイトを演じている。子役時代からハリウッドで活躍しているが、イノセント(無垢)という言葉が似合う俳優である。それでいて、どことなく何もかも知り尽くした影がある。そんな彼には、ホイトという役がピッタリであった。そしてデンゼル・ワシントンと互角にやれる演技力も持ち合わせていた。また、スコット・グレンやトム・ベレンジャーというベテラン勢の存在感も、本作のハードボイルドをより際立たせている。



(c)Photofest / Getty Images



天使たちの街



 ロサンゼルスという街の名前は、スペイン語で天使たちの街という意味だ。元々は、アメリカ先住民がその地に住みついていたが、その後スペイン人が入植し、メキシコ帝国の独立でメキシコとなった。そのまた後、時を経てアメリカの領土となり、そのままロサンゼルスと呼ばれている。


 かつての住民だったメキシコ系は移民と呼ばれるようになり、アメリカで生き残ろうと必死になっている。20世紀初頭から始まったグレートマイグレーション(黒人の大移動)で職を求めて南部からやってきた黒人たちも、天使の街で居場所を見つけようと必死だ。そして西部開拓でやってきた者たちは、権力を手にして、メキシコ系や黒人たちを支配する。この街には天使なんて存在していないように思える。



文:杏レラト<あんずれらと>

雑誌「映画秘宝」(洋泉社)を中心に執筆。著書『ブラックムービー ガイド』(スモール出版)が発売中。



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『トレーニング デイ』

ブルーレイ ¥2,381+税/DVD特別版 ¥1,429 +税

ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

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