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『マレフィセント2』3面上映×4Dで飛行シーンに没入!「4DX with ScreenX」体感レポート

『マレフィセント2』3面上映×4Dで飛行シーンに没入!「4DX with ScreenX」体感レポート

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「真実の愛」というテーマを深化させ、5年越しの伏線を回収



 第1作がマレフィセントとオーロラの母娘の絆の構築の物語だったとするならば、『マレフィセント2』は旅立ちの物語だ。過去のトラウマにさいなまれて人間を信頼しきれず、愛について疑いを持ったままのマレフィセントが、娘であるオーロラの結婚について思い悩む――本作の核は、非常に普遍的な母のドラマといえる。娘の巣立ちを素直に受け入れられないマレフィセントの姿は完全に世の母親のそれだし、偏見を受けがちな母を嫁ぎ先に理解してもらおうと奮闘するオーロラは、“新婦あるある”だろう。


 そこに新たな敵が現れ、マレフィセントとオーロラの絆にひびが入ってしまう。2人は離ればなれになり、マレフィセントは自分の出生の秘密を知り、オーロラは慣れない城での暮らしの中で、母への深い愛情を再認識していく。オーロラをいびる姑を演じるのは、ミシェル・ファイファー。近年では『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)にも出演し、強く美しい女性の象徴である彼女が実質のヴィランを演じる演出は、実に心憎い。


 本シリーズでは2作品を通して「愛の不信」からの脱却を描いており、マレフィセント自身が負った心の傷という「呪い」がどう癒されていくのか、その行方を見つめる。前作においてはその特効薬は娘のオーロラだったが、本作では彼女が旅立つことによって、マレフィセントは娘への心理的な依存から独り立ちすることを余儀なくされる。




 『マレフィセント2』は、前作で棚上げになってしまった「人間への不信」と、相反するように加速する「娘の溺愛」というテーマにしっかりと切り込み、5年越しの伏線を回収する、実に必然性の高い続編だ。


 様々な形で「自己犠牲」が描かれるのも印象的。マレフィセントは娘の本当の幸せとは何か、を考えて周囲への振る舞い方を見つめ直し、彼女の心境の変化に呼応して、娘以外の“人間”全てを愛せるか、という命題に深化していく。また、オーロラや彼女の婚約者であるフィリップ王子(ハリス・ディキンソン)、マレフィセントを最大の窮地に落とす敵役さえも、自分ではない誰かのためを想い、行動を起こす姿が描かれる。キャラクター全員の行いを通して、「自己愛」から「他己愛」――つまり“真実の愛”へと到達する道のりが敷設されていくのだ。


 前半で述べたように、見ごたえ満点のスペクタクルシーンは大きな魅力だが、決して映像美に溺れることなく、むしろそれ以上に胸に迫る本作の“物語力”も、見逃せない。


 なお、「4DX with ScreenX」は、『マレフィセント2』に続き『ジェミニマン』『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』を上映する予定。『ジェミニマン』は映像派アン・リー監督と最新技術の化学変化が話題を呼び、『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』では一層凶暴化したペニーワイズの暴れっぷりが観客をおののかせている。どちらも映像が重要な役割を果たす作品だけに、「4DX with ScreenX」がどこまで感情を増幅してくれるのか、大いに気になるところだ。


文: SYO

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライターに。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」「FRIDAYデジタル」「Fan's Voice」「映画.com」等に寄稿。Twitter「syocinema



作品情報を見る



『マレフィセント2』

10月18日(金)全国公開

(c)2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/maleficent2.html

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