2019.11.01
エディ・マーフィが尊敬する先駆者たち
『ルディ・レイ・ムーア』の劇中、ドルフィン・レコードショップにて、レッド・フォックスのアルバムが店内で流れる。レッド・フォックスは、アメリカを代表するコメディアンの1人で、彼のアルバムもブルー・アルバムと言われる卑猥なコメディアルバムだった。ルディ・レイ・ムーアは、自身のアルバムを「アンダー・ザ・カウンター(ヤミ販売)」で売っていたが、レッド・フォックスこそがアンダー・ザ・カウンターのパイオニアだ。
エディ・マーフィはレッド・フォックスを非常にリスペクトしており、初監督作品『ハーレム・ナイト』(89)にはレッド・フォックスを出演させ、彼が亡くなった際には、葬儀費用をを肩代わりするほどだったという。
また、エディ・マーフィにスタンダップ・コメディをやるように薦め、コメディの道しるべをしたのは、2歳年上の兄チャーリー・マーフィだ。真面目で優秀なエディとは違って、チャーリーは近所でも有名な悪ガキだった。チャーリーがアンダー・ザ・カウンターで手にいれたレッド・フォックスやリチャード・プライヤーのブルー・アルバムを、エディは親から隠れてこっそり聞いていた。
2017年にチャーリーは白血病にて亡くなっている。エディ・マーフィは本作のエンディングで、「チャーリー・マーフィに捧げる」とクレジットを残した。