2019.11.01
高い評価の仕掛け人たち
本作の良さは、俳優たちの好演もあるが、脚本の面白さもある。脚本を担当したのが、『ラリー・フリント』(96)にて、ゴールデン・グローブ賞の脚本賞に輝いているスコット・アレクサンダーとラリー・カラゼウスキーのコンビである。
冒頭から様々な伏線が張られ、終盤にどんどん回収されていくのが気持ちが良い。そして、あんなに下品で卑猥なルディ・レイ・ムーアを題材にしながらも、時にエモーショナルで観客の涙を誘うのには見事であった。
そして監督は、『ハッスル&フロウ』(05)のクレイグ・ブリュワー。今回の共演でエディ・マーフィと意気投合したのか、エディ・マーフィにとって大事な作品『星の王子ニューヨークへ行く』(88)の続編『Coming 2 America』(20年公開予定)の監督も任されることになっている。
また、本作では、70年代の独特な雰囲気を出すために、75回もの衣装チェンジが行われたそう。『ブラックパンサー』(18)にてアカデミー賞衣裳デザイン賞を受賞したルース・E・カーターが担当している。