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『ターミネーター:ニュー・フェイト』『T2』の「正統な続編」は、紛うことなき“本物”だった!(with IMAXレーザー鑑賞レポート)

『ターミネーター:ニュー・フェイト』『T2』の「正統な続編」は、紛うことなき“本物”だった!(with IMAXレーザー鑑賞レポート)

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前2作の流れを踏襲しつつ、異なる「愛」を描く



 まず、『ターミネーター2』を鑑賞した者の脳裏には、「あのラストから、どうやって物語を展開するのか?」という疑問が浮かんだことだろう。コンピュータが人間への反乱を起こす元凶は『ターミネーター2』で排除され、「審判の日」は訪れなかったはずだ。ちなみに、T-800も溶鉱炉の中に消えたため、復活は望めない。


 しかし予告編から垣間見えるのは、年を重ねたサラとT-800の姿。背景は現代に近く、となると1997年8月29日に起こるはずだった「審判の日」はやはり回避できたのだろう。だが、そうなると「なぜT-800が?」という謎は消えない。「正統な続編」である以上、別の世界線で展開する物語でもなさそうだ。


 『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、ストーリー自体が1つのネタバレともいえる。そのため、本稿ではぼんやりした概要の紹介にとどめるが、ご容赦いただきたい。ただ、冒頭から、驚きと納得が同時に去来する“続き”が描かれることは保証しよう。



 本作で起きることは、予告編で明かされている内容だと「サラ・コナーは年齢を重ねたいまも戦っている」「なぜかT-800が現代にいる」「サラとT-800の関係性は悪化している」「新型ターミネーターと“強化型兵士”、人類滅亡のカギを握る謎の女性が登場する」辺りだろうか。この前提に沿って、作品を考察していきたい。


 サラとT-800に何が起こったのか?は一旦脇に置くとして、物語を動かす3人のキャラクターについて紹介しよう。メキシコで暮らす弟想いの女性ダニー(ナタリア・エイレス)、分離可能な液体金属の外皮と、金属炭素性の内骨格を持つ最新型ターミネーター、REV-9(ガブリエル・ルナ)。中身は人間だが、特殊手術を受けて身体能力を強化した兵士グレース(マッケンジー・デイヴィス)。これらの新顔が巻き起こす事件にサラとT-800が絡み、シリーズ最高レベルの大激戦へと発展していく。


 家族と平和な生活を送っていたダニーは、未来から突如現れたREV-9に命を狙われる。全く予想していなかった事態にパニックに陥るダニーだったが、そこに同じく未来から来たグレースが登場。グレースは「あなたを守るために来た」と告げ、REV-9に単身挑んでいく……。




 舞台がロサンゼルスからメキシコになったものの、これは完全に『ターミネーター』『ターミネーター2』と同じ流れだ。「焼き直し」ではなく、敢えて構造を同じくすることで前作の振り返りと本作の進化を同時に処理する、キャメロンらしいイズムを感じさせる序盤となっている。


 ここで興味深いのは、『ターミネーター』ではサラを助けるカイル・リースという「恋愛」、『ターミネーター2』ではジョン・コナーを助けるT-800という「(疑似)家族愛」、『ターミネーター:ニュー・フェイト』ではダニーを助けるグレースという「敬愛」という3つの違った愛がそれぞれ描かれるということ。また、男×女の第1作、男×男の第2作、女×女の本作と、かぶらないようにパターンを変えている。前半の舞台がメキシコであることもあり、非常に現代的なアプローチが施された映画といえる。


 「強い女性」を描くのに定評のあるキャメロンだが、本作ではサラ、ダニー、グレースの女性3人がシリーズ最強といえるREV-9に挑む姿が迫力たっぷりに描かれ、(ミラーが監督にせよ)キャメロンらしさの1つの到達点ともいえる内容だ。それほどまでに、彼女たちの気高いたくましさが、しなやかに美しく映し出されている。



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