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『コマンドー』「シュワルツェネッガーそのもの」を味わう倒錯と至福の90分

『コマンドー』「シュワルツェネッガーそのもの」を味わう倒錯と至福の90分

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シュワルツェネッガーという「素材の味」を活かすための映画



 製作陣は、「シュワルツェネッガー」という素材を如何に観客に楽しませるかに心を砕いたという。監督のマーク・L・レスターはこう語っている。


 「 アーノルドは今作で初めて感情を表現した。『コナン・ザ・グレート』(82)と『ターミネーター』(84)では彼自身の人柄が表に出ていない。私は本来の性格を活かして役作りをするよう彼に勧めた。普段の彼はとても楽しくて好感が持てる人物で、持ち前の性格が出せればいいと思ったんだ」


 それまでのシュワルツェネッガーは、異世界で暴力に明け暮れるゴリラのような剣士や、未来からやってきた感情を持たない殺人マシンしか演じていなかった。これには彼の来歴も少なからず関係している。



 シュワルツェネッガーは20歳でオーストリアからアメリカに渡った移民で、訛りの強い英語しか話せなかった。しかし、ボディービルの世界大会で何度も優勝している見事な体は最高にスクリーン映えする。そんな素材を生かすためにはセリフが少なく、複雑な感情表現が要求されない、それでいて常人の理解を絶する暴力をふるう役柄がもってこいだった。


 しかし、『コマンドー』では、それを裏返し、シュワルツェネッガーの「素材としてのうま味」をそのまま活かすという、和食の料理人のような高度な技に挑戦しようとしたという。それが、『コマンドー』という作品に唯一無二の「食感」と「味わい」をもたらすことになった。



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