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『コマンドー』「シュワルツェネッガーそのもの」を味わう倒錯と至福の90分

『コマンドー』「シュワルツェネッガーそのもの」を味わう倒錯と至福の90分

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クリエイターの想像力を刺激し新たな映画を生み出す個性



 シュワルツェネッガーを怪獣に見立てたかのような迷いのないアクションと、彼の陽性の性格を反映したシンプルでブラックなジョークの数々に彩られた90分は、まさにアーノルド・シュワルツェネッガーそのものを楽しむための時間だ。しかも映画そのものがシンプルでタイトに引き締まっているだけに繰り返し観たくなる中毒性を持っている。それが、何度もTV放映され、ファンに長年愛され続ける理由かもしれない。


 1985年の公開当時、本作は大ヒットを記録し、シュワルツェネッガーを本格的にスターダムに押しあげた。当然、続編の話もあった。それを見越してか映画のラスト、メイトリクスにかつての上官がこんな言葉をかける。


 「また会えると信じている」


 パート2を匂わせるセリフだが、メイトリクスは「それはありません」と答える。皮肉にもそのセリフの通り、『コマンドー2』の企画が立ち上がった時、シュワルツェネッガーが興味を示さなかったため、脚本まで書かれていたが、実現しなかった。しかし、『コマンド―』は別の傑作を生みだすきっかけになった。メイトリクスという無敵の軍人が、エイリアンと戦ったらどうなるか?という冗談から生まれたのが、SFホラーアクションの傑作『プレデター』(87)だったのだ。 



 シュワルツェネッガーの主演映画には傑作ばかりではなく珍作や駄作もある。しかし彼の唯一無二の個性は、クリエイターの想像力を刺激し、「シュワルツェネッガーがこんな役を演じたらどうなるだろう?」と、新たな作品を次々と生み出していった。その原点は間違いなく『コマンド―』にあるのだ。 


参考文献:『シュワルツェネッガー主義』てらさわホーク

参考資料:コマンドー <日本語吹替完全版>  [Blu-ray]


取材・文: 稲垣哲也

TVディレクター。マンガや映画のクリエイターの妄執を描くドキュメンタリー企画の実現が個人的テーマ。過去に演出した番組には『劇画ゴッドファーザー マンガに革命を起こした男』(WOWOW)『たけし誕生 オイラの師匠と浅草』(NHK)『師弟物語~人生を変えた出会い~【田中将大×野村克也】』(NHK BSプレミアム)。



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(c)Photofest / Getty Images

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