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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』はみ出し者たちを繋ぐPOP&ROCKの意味とは

(c)Photofest / Getty Images

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』はみ出し者たちを繋ぐPOP&ROCKの意味とは


ジェームズ・ガンがガーディアンズにたどり着くまで



 トロマに入り、雪崩式に映画制作の仕事を始めたジェームズ・ガンは、さっそく最初の監督作(ただしクレジットは総帥ロイド・カウフマン名義)『トロメオとジュリエット』(97)を手がけることになる。タイトル通りシェークスピアの「ロミオとジュリエット」の翻案…… と言えなくもない、トロマらしい、手足が飛び散るバイオレンスとあけすけなセックスに溢れた作品である。


 ただ、ジェームズ・ガンが同時期に書いていた「Specials」という落ちこぼれスーパーヒーローをテーマにした脚本が業界内で話題を呼び、トロマを一足飛びに飛び越えてメジャー大手のワーナー・ブラザースから指名され、ハンナ・バーベラ・プロダクションの人気アニメ「弱虫クルッパー」の実写映画『スクービー・ドゥー』(02)の脚本を担当することになる。



 ちなみに「Specials」は『MIS II メン・イン・スパイダー2』(00)という、全く意味を持たない言葉の羅列で構成された邦題(まず、そもそも「メン・イン・スパイダー」1作目が存在しない)で、日本リリースもされているが、落ちこぼれヒーローたちが無駄話と痴話喧嘩を続け、いざ活躍しそうになると映画が終わってしまうアバンギャルドな作品になっている。


 一方『スクービー・ドゥー』の方は、サム・ライミの『スパイダーマン』や『スターウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』『ハリーポッターと秘密の部屋』と、2002年の並み居るモンスター級の作品に立ち向かい、それでも公開年の興行収入ランキング11位につけるスマッシュ・ヒットを飛ばす。このヒットでジェームズ・ガンはハリウッド第一線の脚本家として認知される。続くのが、ジョージ・A・ロメロの歴史的な傑作『ゾンビ』のリメイク『ドーン・オブ・ザ・デッド』(04)の脚本だ。どう転んでも負け戦になる作品で、独自の悪ふざけと凄惨を極めた人体破壊により、ホラーファンから一目置かれる存在になる。



 この頃から脚本家として『スクービー・ドゥー2』(04)などの継続作品を手がけながら、もう一度、監督業に進出し始める。宇宙から飛来したナメクジ状の生物に襲われる小さな田舎町の恐怖を描いた『スリザー』(06)。逃げた妻を想うあまり気がフれて、子供向けの宗教番組の啓示を受けて、赤いコスチュームに身を包み自警活動を始める男を描いた『スーパー!』(10)。それぞれ低予算ながらキモを押さえた作劇と演出が見られ、また弱者に対する優しい眼差しが華を添えた作品になっている。そんな作品が、特にうるさ型の映画ファンに認められることとなる。


 マーベルからの依頼は彼が名実共に波に乗った、そんな時期であった。



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