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虚構の文脈で、現実を斬る――『新聞記者』が社会派映画にもたらした「若き感性」

虚構の文脈で、現実を斬る――『新聞記者』が社会派映画にもたらした「若き感性」


混迷化する現代……『新聞記者』は終わらない



 『新聞記者』はフォーマットとしても、通例を打ち破る作品だった。そしてまた、本作が成功を収めたことで、後続の作品が製作しやすい環境になっていくだろう。日本映画のこれからを考えたときに、これは明るいニュースと呼べるのではないだろうか。


 『新聞記者』が世に放たれた際にあった“タブー”感が、「当たり前」になる未来。そこに、全ての映画ファンが国産の映画に「満足できる」表現の練度がついてくるのだろう。そしてその先に、『パラサイト 半地下の家族』に続くオスカー戴冠――という夢が見えていくはずだ。




 劇中で描かれる、国家が国民を監視していた、情報を操作していたという“事実”は、もはや(恐ろしいことだが)衝撃でも何でもない。弱者の声が封殺され、命を落とす者が出ても歩みは止まらず、補償もなく、会見では口を濁すばかり、冷やかしにすらならない“配布”に終始する――。今回の新型コロナウイルスに関する一連の流れで、多くの不手際が露呈してしまっているように、政府や政治家に対する不信感は“普通”や“常識”になりつつある。


 機能しているのかどうかすら怪しく、国民が国家をいぶかしく思ってしまう状況――そういった意味では、映画が描くべき“政治のいま”というのは、『新聞記者』公開後の、この1年弱でさらに増えてしまった。今もこの先も、『新聞記者』が終わることはないのである。


 今まさに胎動を始めた、現代史始まって以来の混迷期に、どんな日本映画が生まれていくのだろうか。『新聞記者』チルドレンの台頭を、皆が待っている。



文: SYO

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライター/編集者に。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」「FRIDAYデジタル」「Fan's Voice」「映画.com」「シネマカフェ」「BRUTUS」「DVD&動画配信でーた」等に寄稿。Twitter「syocinema



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(C)2019『新聞記者』フィルムパートナーズ

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