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『スペース カウボーイ』一筋縄ではいかない不良老人たちのアメリカン・ドリーム

(c)Photofest / Getty Images

『スペース カウボーイ』一筋縄ではいかない不良老人たちのアメリカン・ドリーム


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“孤独なアウトロー”から、“チームに奉仕する職人たち”へ



 2000年8月30日から9月9日にかけて開催された、第57回ヴェネチア国際映画祭。その栄えあるオープニング上映作品に選ばれたのは、クリント・イーストウッドのSFスペクタクル『スペース カウボーイ』だった。


 アメリカ初の有人飛行計画のために結成された、テスト・パイロットチーム「ダイダロス」。しかし土壇場になってアメリカ政府は、名誉ある任務を彼らではなく一匹のチンパンジーに託してしまう。それから40年。制御不能となったロシアの通信衛星を修理するために、「ダイダロス」のメンバーが再結成する…というストーリー。


 イーストウッド × SF映画と聞くと、いかにも食い合わせが悪そうだが、要はコレ「一筋縄ではいかない不良老人たちが、宇宙という最後のフロンティアでアメリカン・ドリームを叶える」という、彼お得意の「頑固職人噺」。イーストウッド節が唸りに唸りまくっている。



 『スペース カウボーイ』が異色なのは、むしろ「チームプレイ」モノであることだろう。『荒野の用心棒』(64)の名無しのカウボーイ、『ダーティハリー』(71)のはぐれ者刑事、『荒野のストレンジャー』(73)の謎の流れ者、『ペイルライダー』(85)の不気味な牧師。かつてクリント・イーストウッドがスクリーンで体現してきたのは、孤独なアウトローだった。「信じられるのは、己の肉体と知恵のみ」とばかりに共闘を拒否し、一匹狼を全うしてきたのである。


 しかしこの『スペース カウボーイ』で描かれるのは、「ダイダロス」の4人が力を合わせて未曾有の危機を救わんとするチームプレイ。彼らは決して、協調性に溢れたメンバーではない。実際、映画では「大人になれ」だの「一度くらい仲間のサポート役に回れないのか」だの、個人主義を諭されるセリフも出てくる。一度は諦めた宇宙への夢を取り戻すために、彼らは慣れないチームプレイで「最初で最後のミッション」に挑むのである。



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