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『スポーン』フィギュア・バブルが産んだ地獄のヒーロー、その歪んだ魅力とは

(c)Photofest / Getty Images

『スポーン』フィギュア・バブルが産んだ地獄のヒーロー、その歪んだ魅力とは


 『スター・ウォーズ』(77)のヒットに伴い、キャラクターのおもちゃ「フィギュア」が大ヒットし、そのマーチャンダイジングの権利料だけで莫大な利益を手にしたジョージ・ルーカスの先見性は、もはや伝説的に語り継がれている。


 この頃のフィギュアは基本的に棒立ちで、足は身体から垂直に下へ。腕も肩から真っ直ぐ下へ。股間と腕、首が稼働したが、単に「動く」というだけで、違ったポーズを取れるようなものでは無かった。そして、胴長で頭でっかちで、何しろ格好の悪いものだった。ただ、当時の「フィギュアの格好悪さ」はスター・ウォーズのものに限らず、フィギュアとは「そういうもの」として受け入れられていた。


 1994年までは。


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異色作家トッド・マクファーレン



 コミック作家トッド・マクファーレン。元々プロ野球選手を目指していたが怪我のためコミック作家へ転身するという異色の経歴を持っているが、彼の描くヒーローたちのタッチもまた異色と言えるだろう。バットマンのマントは大き過ぎて意思を持った別の生き物のようにたなびいているし、スパイダーマンは奇妙過ぎて生身の人間ではとれないようなポーズで空を舞っている。


 日本の漫画で言えば荒木飛呂彦の描くキャラクターたちの「ジョジョ立ち」に近い。リアリティよりも見た目の良さを優先するスタイルだ。マクファーレンは、その異色のタッチでスパイダーマンの敵として、あの「ヴェノム」を作りあげ、その人気は単独で映画化されるほどになっているのは周知の通り。



 マクファーレンはそういった実績を積んでいくに従い、コミック作家が創作したキャラクターの権利を会社に取り上げられてしまう、アメコミ業界通例のシステムに強い疑問を抱くようになっていく。


 アメコミではキャラクターの権利は会社にある。スパイダーマンやXメンはマーベルに、スーパーマン、バットマンはDCコミックに帰属している。このことでヒーローの共演が可能なのだが、物語や設定などの創作は会社の方針に則ったものに限られるし、もちろんキャラクター使用で発生する権利料も会社のものになる。


 そこでマクファーレンは1992年にジム・リーやロブ・ライフェルドら、人気作家と共同で、キャラクターの権利を作家自身で管理出来るシステムのコミック出版社「イメージ・コミック」を立ち上げる。そして、会社のローンチ・タイトルとして「スポーン」を生み出す。



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