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『スポーン』フィギュア・バブルが産んだ地獄のヒーロー、その歪んだ魅力とは

(c)Photofest / Getty Images

『スポーン』フィギュア・バブルが産んだ地獄のヒーロー、その歪んだ魅力とは

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アクション・フィギュア狂騒曲



 「スポーン」は暗くハードな世界観とマクファーレンによる記名性の高い特徴的なアート・ワークで人気を博し、イメージ・コミックは、マーベル、DCのメジャー2社に次ぐ売り上げを記録する。


 となれば当然マーチャンダイジングの依頼も浮上してくる。マクファーレンは大手おもちゃ会社マテルと共同でスポーンのフィギュアの開発を始めるのだが、マクファーレンを満足させる試作はついぞ出来上がらなかった。


 結局、マテルからフィギュアの権利を引き上げ、またもや自分で会社を立ち上げてしまう。「マクファーレン・トイズ」の誕生である(設立当初はファースト・ネームをとった「トッド・トイズ」であったが、よりによってマテルの看板商品「バービー」の弟の名前が「トッド」であったため、すぐに「マクファーレン・トイズ」へと社名変更した)。


 1994年。マクファーレン・トイズ(当時はまだトッド・トイズ)から最初のフィギュア6体「スポーン:シリーズ1」がリリースされる。これがフィギュア業界に大きな革命を起こすことになる。




 まず、大きさはそれまでのフィギュアの平均的な10cmほどのものから18cmほどへスケール・アップされ、細かな造形も表現できるようになった。スタイルもそれまでの棒立ちから、肩幅に開かれた足に逆三角形のボディ、筋肉のうねる腕、バランスの取れた小さな頭になった。


 そして何よりマントである。それまではナイロン製の布やビニールなど、おもちゃ然とした素材で付けられることが多かったマントはプラスチックで造形された。このことで、美しいドレープや自然ではありえない、しかしコミックでは見慣れた起伏が表現された。


 敵キャラクターもコミックに準拠した造形が貫かれた。宿敵バイオレイターの細い手足はベンダブルで再現され、巨大な敵はコミックの設定同様、スケール感を合わせた巨大な物になった。


 この見事な出来栄えに飛びついたのは、おもちゃで遊ぶ子供たちではなく、大人たちであった。フィギュアは、ごっこ遊びをするおもちゃから、飾って眺める工芸品になったのである。そして、マクファーレン・トイズが広げ活気付けた「フィギュア市場」に、我先にと各々おもちゃ会社もクオリティの高いフィギュアを投入しだした。このことで、売り場にはカッコいいフィギュアが百花繚乱し、一大フィギュア・ブームが巻き起こったのである。



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