『ハンナ』あらすじ
元CIA工作員の父とフィンランドの山奥で人知れず暮らし、並外れた格闘テクニックを叩き込まれたハンナ。愛らしい外見に反し、痛みを知らず感情をもたないまま16歳にまで成長したハンナの戦闘能力はいつしか父を超え、ついに外の世界へ旅立つ日が来た。ある任務の下、ヨーロッパへ旅立った彼女をかつての父の同僚であるCIA捜査官マリッサが執拗に追う。行く手を阻むマリッサの手下との壮絶な戦いのなかで、ハンナは自身の卓越した身体能力の秘密を知らされることに---。
Index
最強のスーパーヒロイン、誕生
ジェーン・オースティンの世界をフレッシュかつ躍動感あふれるタッチで甦らせた『プライドと偏見』(05)や、アカデミー賞候補にもなるほど高評価の嵐となった『つぐない』(07)。これらの大ヒットを受けてジョー・ライト監督のことをすっかり「文芸映画の名手」と認識してしまっていた我々にとって、2011年公開の映画『ハンナ』は固定観念を覆す衝撃的な作品となった。
かる相手を瞬殺するためらいのなさ。いわば女性版ジェイソン・ボーンとでも形容したくなるほど、すべての面でずば抜けたスーパーヒロインがそこには存在した。
『ハンナ』予告
ジョー・ライト監督とシアーシャ・ローナン。二人は本作から遡ること4年前の『つぐない』で共に作品を作り上げた仲だ。久方ぶりのコラボレーションはどのようなものだったのか。その参加の経緯を紐解くと、当時の二人の関係性や心境が垣間見えてくる。