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『現金に体を張れ』キューブリックの才能を世界に知らしめたハリウッド・デビュー作

© 1956 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.© 2019 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

『現金に体を張れ』キューブリックの才能を世界に知らしめたハリウッド・デビュー作

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ジェームズ・B・ハリスとスタンリー・キューブリック、運命の出会い



 スタンリー・キューブリックの記念すべきハリウッド・デビュー作、それが『現金に体を張れ』(56)である。「ゲンナマにカラダをハレ」である。原題は『The Killing』。「殺し」以外に「大儲け」という意味も含まれているダブル・ミーニングで、コレはコレでかっこいいのだが、それをこんな邦題に仕立て上げてしまうセンスには脱帽なり。


 原作は、ライオネル・ホワイトの『逃走と死と』。競馬場から200万ドルもの現金を強奪する計画を立てた5人の男たちが、やがて悲劇的な結末を迎えるまでを描いたクライム・ストーリーだ。この映画化権を格安の1万ドルで獲得したのが、ジェームズ・B・ハリスなる人物。映画・テレビの配給会社フラミンゴ・フィルムズのオーナーの息子で、ミュージシャンになるためジュリアード音楽院に通っていたという経歴をもつ、筋金入りのおぼちゃまである。なんだかんだで、父親と同じくプロデューサーの道を歩むことになった彼は、格安ゲットした『逃走と死と』の映画化権を、フランク・シナトラに売却することを考えていた(彼もまたこの原作に目をつけていた)。



© 1956 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.© 2019 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.


 しかし最終的に彼は、自らのプロデュースでこの映画を製作することになる。共通の知人の紹介で、ハリスはスタンリー・キューブリックと運命的な出会いを果たしていた。


 「アレックス・シンガーはスタンリー・キューブリックの少年時代の友人で、彼がスタンリーを紹介してくたんです。私が陸軍を退役したあとスタンリーと再会して、最新作『非情の罠』の試写会に誘ってくれたんですね。彼はそれまでに『恐怖と欲望』を監督していましたが、私はスタンリーの作品に非常に感銘を受けたんです。」

(ジェームズ・B・ハリスのインタビューより抜粋)


 当時のキューブリックはまだアマチュアの映画作家で、チェスをしながら日銭を稼ぐ日々。しかしハリスは、自分と同い年の青年の底知れぬ才能に、心から畏敬の念を抱いていた。意気投合した二人は「ハリス・キューブリック・プロダクション」を設立し、二人三脚で映画界に殴り込みをかけることを決意する。その記念すべき第1作が、『現金に体を張れ』だった。




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