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『ウルフ・オブ・ウォールストリート』スコセッシ×ディカプリオの黄金タッグが贈る超肉食の破格の傑作

(c)Photofest / Getty Images

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』スコセッシ×ディカプリオの黄金タッグが贈る超肉食の破格の傑作

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ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル――狂乱のNY実録世界にようこそ!



 「投資の世界はまるでジャングルです。ブル(牡牛/上げ相場)。ベア(熊/下げ相場)。危険だらけ」――(冒頭ナレーションより)。


 そんな世界でウルフ(狼)との悪名で呼ばれた男、ジョーダン・ベルフォート(1962年生まれ)。1990年代、「ストラットン・オークモント詐欺」と呼ばれる大事件を引き起こし、FBIに仕事仲間たちを売り飛ばしたあげく、22ヶ月間服役した元株式ブローカー兼起業家だ(現・経営コンサルタント)。口八丁手八丁で投資詐欺を繰り返し、数年だけNYウォール街の寵児となった彼の破天荒すぎる半生を、どうかしてるくらいのハイボルテージで描いた2013年の破格の傑作が『ウルフ・オブ・ウォールストリート』である。



 監督は名匠、というにはあまりにタフなやんちゃぶりを発揮する、当時71歳(!)のマーティン・スコセッシ。『グッドフェローズ』(90)や『カジノ』(95)同様のスタイルで、ウォール街に殴り込みを掛けた株屋たち=“マネーギャング”の狂乱を紡ぎ出し、三時間の長尺を精力絶倫で走りきる。


 「ひたすらバカで、陽気で狂っていて、モラルの欠片もなく、本能の壊れた獣のような男たちの生態」とは、本サイトで筆者が執筆した『グッドフェローズ』評の一文だが、本作もそれにまったく共通しつつも、血や暴力ではなく、カネと性欲が駆動力になっているため、もっとアッパーでチャラい「軽薄さ」が突き抜けた魅力になっている。


 主演はレオナルド・ディカプリオ。スコセッシの相棒と言えば『ミーン・ストリート』(73)『タクシードライバー』(76)『レイジング・ブル』(80)『キング・オブ・コメディ』(83)など特濃のマスターピース群を放ってきたロバート・デ・ニーロが筆頭だが(24年ぶりに組んだ2019年の『アイリッシュマン』まで計9作)、それに次ぐ21世紀の新・相棒がディカプリオだ。


  2002年の『ギャング・オブ・ニューヨーク』を皮切りに、『アビエイター』(04)『ディパーテッド』(06)『シャッターアイランド』(09)に続く5度目のタッグ作が『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。それまではどこか「デ・ニーロの影」を引きずっていたディカプリオだが、本作では伝説の天才詐欺師を演じた『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(02/監督:スティーヴン・スピルバーグ)にも通じる彼独特の軽みと、スコセッシのスポーティーなエネルギーがついにガチッと噛み合って、デ・ニーロ主演作とはまるで異なる最高の化学反応を起こしている。




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