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『狼男アメリカン』ジョン・ランディスとリック・ベイカーが手がけた、リアルで悲しきウルフマン

(c)Photofest / Getty Images

『狼男アメリカン』ジョン・ランディスとリック・ベイカーが手がけた、リアルで悲しきウルフマン

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 「史上最も売れたアルバム」マイケル・ジャクソンの「スリラー」。そのアルバムタイトルにもなっている曲「スリラー」のMVが発表されると、その革新的な内容で世界に一大旋風を巻き起こした。


 マイケル・ジャクソンが心身共に絶好調だったことや、名匠クインシー・ジョーンズのプロデュースによる見事な楽曲アレンジもさることながら、13分半という長尺のショート・ムービーであったことと、そしてそのクオリティは一流のハリウッド映画さながらなものだった。



 この「スリラー」MVの元になっているのが『狼男アメリカン』(81)である。


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『狼男アメリカン』ができるまで



 『戦略大作戦』(70)に製作アシスタントとして参加していたジョン・ランディスは、ロケ地である旧ユーゴスラビアを移動中、奇妙な光景を目撃する。


 ジプシーであるロマの人々が葬儀で埋葬をしていたのだが、墓穴は縦に長く、遺体は直立ポーズで埋められていた。聞けば「あの世から戻ってきても這い出しずらいように」そうしていると言うのだ。死と復活にまつわるロマの人々の考え方に触れ、ランディスは墓から這い出した人と対峙する場面を思い浮かべ、ある着想を得る。


 むろん『狼男アメリカン』劇中、狼男に殺されたジャックが、殺された時の姿でデヴィットの前に現れトーストをねだる、あの名場面である。ランディスはこのイメージを中心に脚本を書き上げるが、一旦「棚上げ」し、甘党の猿人が街でコントを繰り広げる『シュロック』(73)を作り上げる。そして、コメディ集団ZAZの脚本のコント映画『ケンタッキー・フライド・ムービー』(77)をヒットさせ、さらにジョン・ベルーシの『アニマル・ハウス』(78)と、伝説の『ブルース・ブラザース』(80)を立て続けに完成させる。



 これらの実績を担保にようやく『狼男アメリカン』を売り込み始める。それでも多くの出資者はコメディにしては恐ろし過ぎて、ホラーにしては笑える場面が多い脚本に二の足を踏んだそうだ。しかし、遂にピーター・グーバーとジョン・ピーターズに渡をつけ、製作を決めるのである。脚本完成から約10年以上もの歳月を経た執念の賜物である。


 メインキャラクターには若手を起用し、いわゆる「スター」俳優はいないが、その中で最も「スター」と呼べる存在は「狼男」のエフェクトであっただろう。




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