2021.03.20
2代目キャプテン・アメリカは誰が担うのか？
ファルコンとウィンター・ソルジャー、それぞれの“現在”がまず提示された『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』第1話。
以降の展開では、実家に帰ったファルコンが姉を救おうと銀行に融資を求めに行くシーン（サノスの“指パッチン”以降、空白の5年間収入がないことでローンを組めない、という描写がリアルだ）や、空軍の知り合いが「フラッグスマッシャーズ」（原作ファンにはおなじみの名前）という謎の組織の犯罪に巻き込まれる展開、ウィンター・ソルジャーが知人の“ミスター・ナカジマ”と食事に行き、彼にまつわる事件に踏み込んでいくさまなどが描かれる。
細かな内容については観てのお楽しみということで省くが、ファルコンとウィンター・ソルジャー、それぞれが関わる事件が、いずれつながっていくことを予感させる“種まき”を行った印象だ。『ワンダヴィジョン』は謎だらけの異端なつくりだったが、今回に関してはストレートなドラマが重層的かつ拡散していく構造になりそうである。
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』© 2021 Marvel
さらに、後継者という面でも、謎の“新キャプテン・アメリカ”が擁立される展開が待ち受けている。そうした状況で、ファルコンとウィンター・ソルジャーはどう動くのか？ これもまた、本作の大きな柱になっていくことだろう。すなわち、「2代目キャプテン・アメリカは誰が担うのか？」というテーマだ。指名されたファルコン単独なのか、それともウィンター・ソルジャーとふたりで担うのか、はたまたそれ以外か……。今後のアベンジャーズの行方を占う事項だけに、大いに気になるところ。
ちなみに、予告編ではキャプテン・アメリカの恋人だったペギー・カーター（ヘイリー・アトウェル）の姪シャロン・カーター（エミリー・ヴァンキャンプ）が登場することが明かされ、さらには『シビル・ウォー／キャプテン・アメリカ』（16）の黒幕だったジモ（ダニエル・ブリュール）が再び暗躍する模様。こうして見ていくと、『キャプテン・アメリカ』シリーズの流れをしっかりと汲んだ正統派続編といえそうだ。
そして、それは作品全体のトーンやアクションシーンの見せ方などにもきっちりと反映されている。次のページでは、この部分について言及し、締めくくりとしたい。
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