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『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』マーベル最大の転換点を「政治・映画・MCU」で再解読する

(c)Photofest / Getty Images

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』マーベル最大の転換点を「政治・映画・MCU」で再解読する

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「マーベル最大の転換点」その意味とは



 『アイアンマン』(08)から『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(19)まで、米マーベル・エンターテイメントの映画部門「マーベル・スタジオ」が手がけてきたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の映画作品は全23作(2021年3月現在)。コロナ禍のために当初の計画に狂いは生じたものの、マーベルはディズニーの映像配信サービス「ディズニープラス(Disney+)」にてドラマシリーズの製作・配信もスタートさせた。2021年の初頭から話題を呼んだ『ワンダヴィジョン』はその第1弾。ひとつの集大成となった超大作『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)を経て、MCUは新たな境地に足を踏み入れつつあるのである。


 『ワンダヴィジョン』に続くドラマシリーズの第2弾が、2021年3月19日(金)より配信される『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』だ。題名の通り、ファルコン/サム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)とウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)を主人公に据えたアクション作品である。この二人が初めて顔を合わせたのが、映画『キャプテン・アメリカ』シリーズの第2作『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(14)。MCUの歴史を大きく変えた一作だ。


『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』予告


 シリーズの第1作『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(11)は、アメリカを象徴するヒーロー、キャプテン・アメリカの誕生と第二次世界大戦における活躍を描いた“戦争映画風”のライトなアクション映画。監督は『ジュマンジ』(95)や『遠い空の向こうに』(99)のジョー・ジョンストンが務め、国家のプロパガンダに利用されたというキャラクターのダークなオリジンを踏まえつつも、自らの作風を活かして、家族で楽しめるファンタジックなキャプテン・アメリカの誕生譚に仕上げてみせた。


 もっともマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長には、シリーズの続編を作るにあたり、当初から「スーパーヒーロー映画と1970年代の政治スリラーを融合させる」というアイデアがあったという。このアプローチが功を奏したことから、“ヒーロー映画”という枠組みに別のジャンルを掛け合わせるアプローチは加速の一途をたどった。強盗コメディ『アントマン』(15)、90年代風サイコ・スリラー『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)、怪奇映画テイストの『ドクター・ストレンジ』(16)、懐かしさあふれる青春映画『スパイダーマン:ホームカミング』(17)、国家存亡を賭したスパイ映画『ブラックパンサー』(18)など、例を挙げ始めればきりがない。前出の『ワンダヴィジョン』に至っては、「シットコム」というジャンルを作品の中核にそのまま組み込んでさえいる。


 そんな『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の監督に起用されたのが、これが大作初挑戦となったアンソニー&ジョー・ルッソ。シリーズ第3作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の監督を経て、MCUの節目となった『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)『アベンジャーズ/エンドゲーム』でも監督を任されたキーパーソンの兄弟が、この作品で堂々の初参加を果たしたのだ。


 こうした側面を踏まえてみれば、筆者が本作を「マーベル最大の転換点」と呼んではばからないこともご理解いただけることだろう。『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』のスタートを控えた今、この作品を「政治・映画・MCU」という切り口を横断しながら、じっくりと紐解き直してみたい。




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