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『大統領の陰謀』若き新聞記者たちの情熱が刻印された、崇高なまでのジャーナリズム精神

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『大統領の陰謀』若き新聞記者たちの情熱が刻印された、崇高なまでのジャーナリズム精神

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『大統領の陰謀』あらすじ

ある夜、ウォーターゲート・ビルに侵入した四人の窃盗犯が現行犯逮捕された。単なる強盗と思われたこの事件だが、ワシントン・ポストの記者ボブ・ウッドワード(ロバート・レッドフォード)とカール・バーンスタイン(ダスティンン・ホフマン)は数々の疑念、妨害を乗り越え調査を進めていく。そして、これがのちに合衆国大統領ニクソンを失脚させる一大スキャンダルへと発展していくのだった…。


Index


ニクソンを大統領辞任に追い込んだ、ウォーターゲート事件



 アメリカには、新聞・雑誌・放送業界の記者を志す学生が、ジャーナリズム精神を学ぶ格好の教材がある。アメリカ最大の政治スキャンダル「ウォーターゲート事件」を描いた、『大統領の陰謀』(76)だ。この映画には、時の権力者に対して一歩も引くことなく、ニクソン大統領を失脚にまで至らしめた、若き新聞記者たちの情熱が刻印されている。筆者も10代の頃に初めて『大統領の陰謀』を鑑賞し、まるでミステリー小説のようなスリリングな展開に心躍らせたものだ。


 事の起こりは、1972年6月17日。ワシントンのウォーターゲートビルにある民主党全国委員会本部で、不法侵入した5人の男たちが警備員によって取り押さえられる。当初は単なる泥棒と考えられていたが、盗聴器を仕掛けようとしていたことが発覚。しかも犯人グループは、元CIA職員、ニクソン大統領再選委員会の警備部長など、極めて政府に近いメンバーたちだった。


『大統領の陰謀』予告


 「この事件はホワイトハウスと深い関わりがあるのでは?」と取材を開始したのが、ワシントン・ポスト記者のボブ・ウッドワードとカール・バーンスタイン。二人は、政府の明らかな妨害にひるむことなく、大統領に近い中枢部が盗聴事件に関与していることを明らかにし、ニクソンを大統領辞任に追い込む。やがてウッドワードとバーンスタインは、自分たちのたゆまぬ調査の記録を描いた『大統領の陰謀 ニクソンを追いつめた300日』を出版。ピューリッツァー賞を含む多くの賞を受賞するに至る。


 二人の勇気あるジャーナリズム精神に、感銘を受けたハリウッド・スターがいた。ロバート・レッドフォードだ。




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