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『メンフィス・ベル』巨匠ウィリアム・ワイラーの実録ドキュメンタリーに基づく10人の青年の物語

(c) 2010 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.

『メンフィス・ベル』巨匠ウィリアム・ワイラーの実録ドキュメンタリーに基づく10人の青年の物語

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『メンフィス・ベル』あらすじ

1943年。イギリスの米軍基地は、ナチス・ドイツへのB-17による危険な白昼攻撃を繰り返していた。そんな中、その白昼攻撃を最後の任務として迎えることになった10人の若きクルーたちがいた。彼らが乗り込むのは、24回の出撃で唯一無傷を誇る戦闘機”メンフィス・ベル”。それでも撃墜の恐怖は消えるものではない…。それぞれの夢と不安を胸に、若者たちは、いまドイツ本土の激戦区へ向けて飛び立つ!


Index


戦場の中で生きる若者たちの青春



 僕はあの雲の上で、いずれ死ぬのだろう――。イェイツの詩の一節である。“An Irish Airman foresees his Death(アイルランドの飛行士は死を予知する)”は、アイルランドの詩人ウィリアム・バトラー・イェイツの名詩で、1919年に発表された。かの言葉は、イギリス軍の一員として第一次世界大戦を戦ったアイルランドの飛行士の微妙な立ち位置と、差し迫る死への恐怖を詠った詩だ。


 第二次世界大戦が舞台の『メンフィス・ベル』(90)の劇中、イェイツと同じアイルランド系の血を引く文学青年ダニー(エリック・ストルツ)は、ドイツ本土への危険な任務を前にして、このイェイツの詩を――自作の詩だとホラを吹いて――諳んじる。そうして出撃してゆく若い青年たちの姿を見ると、胸がしめつけられそうになる。


『メンフィルベル』予告


 マイケル・ケイトン=ジョーンズの『メンフィス・ベル』は、戦争の中で育まれてゆく10人の若者の友情と、固く結ばれた絆、そして青春の刹那を切り取った名作だ。飛行機から降りれば、彼らは普通の青年なのだ。傑出した英雄でも、優れた戦士でもない。それどころか、子どものような無邪気さすら感じる。それなのに彼ら10人の乗員が駆る“メンフィス・ベル”は、24回もの白昼爆撃を遂行した唯一の機として英雄視されていた。残る1回の飛行が最後の任務であり、それさえ終われば、懐かしの故郷に帰れることになっていた。


 ベル号の10人の青年を演じるのは、90年代ハリウッドで名を馳せた演技派が名を連ねる。生真面目ですこし堅物な操縦士デニス役には、『ストリーマーズ 若き兵士たちの物語』(83)でヴェネツィア国際映画祭男優賞受賞のマシュー・モディーン。自らを“女たらし”と自称するナルシストのラスカル役には、『グーニーズ』(85)のショーン・アスティン。作中で、甘い歌声を披露している美男子クレイ役には、ハリー・コニック・Jr。そのほか、個性的なキャストの面々が、青々しいアンサンブルをみせている。



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