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『M★A★S★Hマッシュ』戦争なんて、軍隊なんて、くだらねえ! 名匠が放った反戦映画の傑作を紐解く

(c)Photofest / Getty Images

『M★A★S★Hマッシュ』戦争なんて、軍隊なんて、くだらねえ! 名匠が放った反戦映画の傑作を紐解く

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反戦思想を脚本に持ち込んだ反骨心



 アメリカが生んだ映画監督の中でも、ロバート・アルトマンはフィルムメイカーの尊敬を集める名匠中の名匠。世界三大映画祭を制した実績もさることながら、メジャーに迎合せず、つねに反骨心を持ち、自身のビジョンに従って作品を作り続けたのは、映画ファンには今さら説明するまでもない。『ナッシュビル』(75)『ザ・プレイヤー』(92)『ショート・カッツ』(93)等々の傑作を生みだした彼だが、その反骨心がよく表れた作品として、1970年の出世作『M★A★S★H マッシュ』( ※以下『マッシュ』)を、本稿では振り返る。


 戦争を風刺にしたブラックコメディにしてアメリカンニューシネマの名作でもある『マッシュ』は、1950年代の朝鮮戦争を背景にしている。舞台は米軍の移動野戦外科病院で、タイトル“MASH”の意味するところ。新任の大尉ホークアイやデューク、後から加わるトラッパーといった若い外科医たちが、軍規を笑い飛ばしながら陽気な騒動を繰り広げる。頭の固い先輩医師を罠にハメて失脚させたり、仲間を自殺願望から救ったり、女性将校にいたずらを仕掛けたり。そんなやりたい放題の日常が描かれている。


『M★A★S★H マッシュ』予告


 原作は、朝鮮戦争で従軍した医師リチャード・フッカーによるノンフィクション。書評を依頼されたことから、ゲラの段階でこれを読んでいた脚本家リング・ラードナーJr.は、映画プロデューサーのインゴ・プレミンジャーに映画化を勧めた。プレミンジャーは20世紀フォックス社のリチャード・ザナックにこの企画を持ち込んだことで、映画の製作がスタートする。脚本家として雇われたラードナーは共産主義者を排斥する、いわゆる“赤狩り”によって一時はハリウッドを追放されたこともある。その反骨心は、原作にはない反戦の思想を持ち込んだことに表われた。監督にアルトマンが抜擢されたのは、この後のことだ。





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