1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. シド・アンド・ナンシー
  4. 『シド・アンド・ナンシー』パンクなラブストーリーにして伝記映画、そして痛烈な風刺劇
『シド・アンド・ナンシー』パンクなラブストーリーにして伝記映画、そして痛烈な風刺劇

(c)Photofest / Getty Images

『シド・アンド・ナンシー』パンクなラブストーリーにして伝記映画、そして痛烈な風刺劇

PAGES


Index


パンクの伝説、シド・ヴィシャス



 1976年、英国の封建的な風潮に風穴を開けたパンクロック。若者たちは、そのサウンドに熱狂した。台風の目となったバンドはセックス・ピストルズだ。彼らは瞬く間にイギリスを席巻し、反体制のシンボルとなる。ボーカルのジョニー・ロットンは攻撃性に満ちた皮肉を歌にのせて、若者のカリスマに。一方で、ベーシストのシド・ヴイシャスは、ジョニーとは違う意味でカリスマとなった。麻薬のオーバードーズにより21歳の若さで世を去った、パンクの伝説として。


 今やアカデミー賞俳優受賞の名優として輝かしいキャリアを歩むゲイリー・オールドマンの初期の主演作でもある『シド・アンド・ナンシー』(86)は、そんなシドと恋人ナンシーの破滅的な生を描いた伝記ドラマにして、壮絶なラブストーリーだ。パンクの誕生から10年を経た1986年に製作されたこの映画は、パンクロックの若いファンに歓迎された。なにしろ、話でしか聞いたことのない“伝説”に触れることができたのだから。


『シド・アンド・ナンシー』予告


 ざっとストーリーを紹介しておこう。物語は1978年、シドが恋人ナンシーを殺害した容疑で逮捕されるという衝撃的な実話に始まり、そこから彼の回想へと発展。1977年、ピストルズの一員となったシドは、米国からやってきた女性ナンシーと出会う。薬物中毒の彼女と、破滅的な生き方を好むシドは、たちまち意気投合して恋仲に。そしてシドもドラッグに溺れていく。


 一方でピストルズは成功の階段を着々と上りつつあった。しかし、ライブでまともに演奏もできないシドに対して、ジョニーらメンバーは不満を募らせる。世界に打って出た全米ツアーも、精神的に不安定なシドのせいでたいした成果も得られず、ジョニーはツアー途中でバンドを脱退し、ピストルズは空中崩壊してしまう。英国に戻ったシドは、ナンシーと更に自堕落な生活をおくるようになる。そしてニューヨークで悲劇は起きた。それが冒頭のエピソードだ。




PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
counter
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. シド・アンド・ナンシー
  4. 『シド・アンド・ナンシー』パンクなラブストーリーにして伝記映画、そして痛烈な風刺劇